福井在住の幼児・児童によるボーカル&ダンスグループ「Team Mars(チーム・エマーズ)」が6月12日、デビュー曲を披露した。
「Team Mars」が初舞台を踏んだ「TAKEDA River KAYAK」の様子。ダンス&音楽ステージでは、K-POPダンス、アカペラ、ジャズなどのグループが出演した
コロナ禍の影響で日常生活に不便を強いられている子どもたちが夢や希望を持つきっかけになればと、福井在住のミュージシャンやダンサーら有志が企画した。あわら市や坂井市でダンスレッスンを展開するダンススタジオ「U-Make(ユーメイク)」に所属する3歳~11歳合わせて20人でメンバーを構成する。
披露した曲のタイトルは「おでかけシャランラン」で、あわら市在住のミュージシャン・シバタミツグさんが作曲を手がけた。東京で30年以上音楽活動を行い、NHK「みんなのうた」の雰囲気が気に入っているというシバタさんは、日本がバブル経済期で上り調子にあった1987(昭和62)年、子どもたちの持ち前の明るさをイメージして同曲を作ったという。
諸事情で、同曲は長らく日の目を浴びないままだったが、市内に住む音楽仲間との雑談が縁となりグループのデビュー曲として浮上。シバタさんがプロデューサーとなり、福井のバンド「CRISPR/Cas9(クリスパー・キャスナイン)」でボーカルを務める萱森まみさんに新たな歌詞の書き起こしを、同市出身の音楽家・青柳拓斗さんにアレンジをそれぞれ依頼した。
作詞に当たり、簡単で明快、かつ子ども向けになり過ぎない言葉選びを心がけたという萱森さん。「シバタさんから『ふわっと明るい気持ちになれる歌詞』というオーダーがあり、爽快感ある曲を多く聴いて気持ちを高め、希望を感じさせる言葉をつないでいった」と明かす。
グループは同日、同市で行われたアウトドアイベント「TAKEDA River KAYAK」のダンス&音楽ステージで歌声とダンスを披露した。1980年代の空気を想起させる衣装を着け、笑顔いっぱいに初ステージを終えた。
ダンスの振り付けについて、ユーメイク代表の上田明子さんは「サビは年配の人も一緒に踊れるようなシンプルな動きにし、園児と児童が助け合いながらそれぞれの良さを表現できるようにした」と説明。今後の活動プランについては「楽曲が生まれた80年代のように夢や希望が持てる時代が再び訪れ、世界中の人々が平和で幸せに暮らせるようにと願いながら楽曲を発信していきたい」と話す。萱森さんは「簡単なコード進行の曲で私が所属するバンドでもカバーした。さまざまな人が歌ったり演奏したりすることで、音楽の輪が広がれば」と期待を込める。
グループは6月18日、「9.98スタジアム」(福井市福町)で行われる福井ユナイテッドFCホームゲームのファンサービスイベントに出演し、夏にはミュージックビデオの発表も予定する。