福井県越前市の「越前打刃物振興施設 刃物の里」(池ノ上町)で6月10日、ものづくりイベント「福井・越前のほんもの手仕事展2022 in Echizen」が始まる。
会場に展示されるこま犬。長く伝説上の存在とされていたが、1932(昭和7)年、地元住民の井戸から十数体が発見された
2024年春予定の北陸新幹線福井・敦賀開業に向け、福井のものづくりの魅力発信につなげようと県内企業が連携し企画した。同施設をメイン会場に、越前打刃物の工場見学会、刃物研ぎ直しコーナー、企業連携型商品展示、子ども向けワークショップ、飲食ブース出店などを展開する。開催は福井県アンテナショップ「ふくい南青山291」(東京都港区)に次いで2回目。
企業連携型商品「The first tool project」は、「はじめての道具を、一生の道具に。」を掲げるプロジェクト。和紙商品企画販売「杉原商店」、家具メーカー「マルイチセーリング」、龍泉刃物(以上、越前市)、土直漆器、眼鏡枠企画販売「ボストンクラブ」、フジタ・印刷(以上、鯖江市)、デザイン事務所「GOOD MORNING」(福井市)が参画する。
越前打刃物を手がける龍泉刃物の新商品「ui(ウイ)」(3万3,000円)は、同社の増谷浩司社長が自身の孫のために考案したという子ども向け包丁で、研ぎ直しと柄の取り替えで将来的にペティナイフとして使える作りとなっている。会場では同商品に加え、和紙に漆を塗った包丁カバーや、眼鏡枠の技術を生かしたフィンガーガードのプロトタイプも合わせて展示する。
福井の伝統的工芸品の歴史に触れる展示として、越前打刃物の祖とされる千代鶴國安の刀作りに由来するというこま犬3体も並べる。事務局は本展を、「現在行方知れずになっている伝説のこま犬の発見につなげる場」とも位置付け、こま犬が新たに見つかれば、11月に予定する千代鶴神社(京町2)の100年祭で一般公開するという。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。6月12日まで。