福井県あわら市が4月1日、漫画「ちはやふる」聖地巡礼コースのAR(拡張現実)アプリ実証実験を始めた。
あわら湯のまち駅近くにある「あわら温泉 湯のまち広場」でもスペシャルコンテンツを楽しめる
同市と、AR活用によるナビゲーション&スポット情報サービス「coconey(ココニー)」を展開するビーブリッジ(東京都千代田区)が連携して取り組むプロジェクト。福井県「CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト」の採択事業で、同作品ゆかりの地を巡る「聖地巡礼」来訪者の利便性向上をAR技術で支援する。
同作品は漫画家・末次由紀さんが競技かるたをテーマに描く作品で、2007(平成19)年、講談社のコミック誌「BE・LOVE」で連載開始。コミック累計発行部数は約2700万部で、映画、テレビアニメなどへも展開した。登場人物である綿谷新(あらた)の出身地が同市という設定から、市はコラボレーションイベント「ちはやふる week in あわら」を2014(平成26)年から行っている。
利用にはcoconeyアプリ(無料)のダウンロードが必要で、あわら湯のまち駅(二面)、芦原温泉駅(春宮1)の計2カ所を起点とする徒歩1時間程度の聖地巡礼モデルコースを設ける。市内の桜並木「あらた坂」(山室)付近などで、主人公の綾瀬千早、新との「AR記念撮影」、アニメ版キャラクターのメッセージボイスなどのコンテンツを楽しむこともできる。
市観光振興課によると、あらた坂のサクラの見頃は今週末という。担当者は「連載開始までほぼ無名だった桜並木などが作品との縁で観光名所になりつつある。聖地巡礼スポットとしての磨き上げには地域住民の協力も不可欠で、実証実験で浮かび上がった課題などをクリアしながら、2024年春の北陸新幹線開業の時を迎えたい」と話す。
実証実験は5月8日まで。