福井市中心市街地で3月26日、小型電動カート「ふくトゥク」の運行が始まる。
「桜を見ながら歴史スポットを巡る」と銘打った「ふくトゥク」の案内プレート
時速20キロ未満で公道を走ることのできる「グリーンスローモビリティー」の実証実験で、同日に始まる「ふくい桜まつり」に合わせて運行する。北陸新幹線福井・敦賀開業を見据え、福井駅からの2次交通整備に取り組む福井商工会議所(西木田2)地域事業・観光振興課が企画した。
東南アジアで見られる小型タクシー「トゥクトゥク」になぞらえて命名。車両はヤマハ発動機(静岡県磐田市)製の「AR-07」で、同社の協力により無料で貸し出しを受けた。フル充電で約30キロ走行でき、小型乗用車としてナンバープレートを取得した上で運行する。
旅客定員は5人。平日は2回、土曜・日曜は3回の運行時間帯を設け、2台体制で運行する。平日は柴田公園(中央1)~足羽(あすわ)川桜橋北詰付近、土曜・日曜は福井市中央公園(大手3)~養浩館庭園(宝永3)をそれぞれラケット状のルートで循環する。
所要時間は1便当たり約30分。乗車申し込みに応じて運行する「デマンド運行」の形態を取る。事前予約は不要で、各ルート出発地に設けた「ふくトゥクステーション」で申し込む。3月30日からは観光ガイドも同乗し、利用客に周回ルート上の観光案内なども行う。
同会議所は実証実験の結果を基にした通年運行も視野に入れる。高見和宏専務理事は「北陸新幹線開業に向け中心市街地の再開発などが進む中、歴史スポットなどを巡る通年運行が実現すれば観光客の楽しみも増すのでは。環境に優しいグリーンスローモビリティーが県内に広がることに期待したい」と話す。
乗車無料。月曜・火曜運休。4月10日まで。運行時間、ルート、最新の運行状況はホームページで案内する。