福井大文京キャンパス(福井市文京3)食堂入り口で12月15日、ハンドメードアクセサリーのポップアップショップイベントが開かれる。
同大国際地域学部「課題探求プロジェクト」の一環で、同学部3年の水落暖加さん、佐々木茉衣さん、桝井聖佳さん、安藤奈那さんの4人でつくるグループがアパレル・雑貨販売「Sympa(サンパ)」(福井市高柳2)の協力を得て準備を進めてきた。出店は今月8日に続き2回目。
同プロジェクトは2年次から2年間かけて行う取り組みで、学生が発見した地域社会の課題に基づき、大学と地域の現場を行き来して解決の可能性を探る。同社に注目したきっかけは、水落さんが「1人の客としてサンパの雰囲気が好きで、次世代の顧客の掘り起こしにつながれば」と考えたことだったという。
新型コロナ禍で活動が制約を受ける中、メンバーは同社の清本和成社長へのヒアリングや業界調査などを重ねた。「私たちを含む大半の消費者は、インフルエンサーが発信する情報に追従して商品を買う『受動的消費者』だということが分かった。リサーチすればするほど、浮気しがちな消費者の心をつかむことの難しさを実感した」
水落さんによると、同社の顧客層の中心は20代後半から30代という。「そもそも学生と顧客層が重なっておらず、店のSNSアカウントをフォローしている友人が少ないことも分かった」。新たな顧客発掘には、同世代が集う場で店の存在を知ってもらう行動を起こすことが重要と考え、学内でのポップアップショップ展開を提案した。
商品は同世代に気軽に手に取ってもらえる価格設定とし、アウトレット品や、同社商品をメンバー自身がリメークしたアイテムなどを並べる。一部の商品には客が値付けできるポストプライシング(=後値付け)も取り入れる。商品台紙には同学部の頭文字「gcs」にちなんだ「sympa×gcs」というロゴとQRコードを添え、同社SNSアカウントへの誘導へも図る。
企画立案に当たり、同社から、商品への思いや企業姿勢に共感してもらう「ストーリーマーケティング」の重要性も学んだ。水落さんは「ハンドメード作業を応援してくれた友達など周りの支えが励みになった。恵まれた環境でプロジェクトを進められたことに感謝し、2回目の出店や今後の研究に生かしたい」と笑顔を見せる。
営業時間は12時30分~17時。