福井の蔵元「黒龍酒造」(永平寺町松岡春日)が4月1日、新商品「黒龍 貴醸酒」の販売を始める。
貴醸酒は日本酒の原料となるくみ水の一部に酒を使う「酒で仕込んだ日本酒」で、通常の日本酒に比べ甘い飲み口が特徴。2014年、「日本酒と若年層との新たな出合いのきっかけに」(同社)と開発を始め、昨年春のテスト販売を経て正式販売にこぎ着けた。
150ミリリットル入りの飲み切りサイズ。アルコール度数12%。日本酒度マイナス34.5度。経営企画部の前田伊穂さんは「アルコール度数を一般的な日本酒より抑えてライトな飲み口にした。日本酒度はベースである『黒龍 純吟』の約9倍という甘い酒質で、アミノ酸度も『純吟』と比べて高く、よりうま味がある」と説明する。
福井市内のバー「言ト音(ことね)」(福井市順化1)で発表会があり、ストレート、店頭で炭酸ガスを注入したスパークリングタイプ、同商品ベースのカクテル「貴苺(きまい)~黒龍と苺(いちご)のSAKENIC~」の3種を飲み比べた参加者は、「日本酒の概念が覆る」「高級メロンのような味わい」などの感想を寄せた。
同部の薮下喜行さんは「テスト販売時は約1カ月で受注枠が埋まり想像以上の反響だった。日本酒ではあるがリキュールのような商品でもあり、楽しみ方の自由度も高い。日本酒がやや苦手という若い人たちの間にも、『黒龍』ブランドの入り口として浸透すれば」と話す。
価格は500円(税抜き)。全国の「黒龍」特約店で取り扱う。