福井県永平寺町にあるえちぜん鉄道永平寺口駅旧駅舎で、地域交流施設オープンに向けた改修工事が進んでいる。
同駅は1914(大正3)年、同鉄道の前身である越前電気鉄道の開業に伴い開設。曹洞(そうとう)宗大本山永平寺に向かう交通の要衝として栄えた。同駅舎は木造平屋建て、屋根は寄棟造(よせむねづくり)をメーンとする瓦ぶき。正面入り口の装飾や内部の天井などに洋風のデザインが見られる。2011年には国の登録有形文化財となった。
改修は、2009年度から同町が進める同駅周辺整備事業の一環。今年、同町が同鉄道から駅舎を譲渡されたことで工事が本格化した。同町企画財政課によると、改修後はデジタルサイネージの観光案内やミニギャラリーなどを設ける予定。かつて使われていた列車制御装置など、鉄道関連資料も展示する考えという。
工事に先立ち、線路を挟んだ東側に新駅舎がオープン。4月10日から営業が始まった。新設された駅前広場には、同町が「駅前広場のモニュメント」と位置付けるれんが造りの鉄道変電設備もある。同課では「地域交通の新たな拠点として、永平寺をはじめとする観光情報を得たり、町民同士が交流したりできるエリアにしていきたい」としている。
地域交流施設オープンは11月中旬を予定する。