紙の文化博物館(越前市新在家町)で現在、特別展「和紙の真髄-越前奉書の世界-(その一・古典編)」が行われている。
約1500年の歴史がある越前和紙の礎を築いたという公文書用紙「越前奉書」に着目した同展。会場を「大瀧神社と奉書の始まり」「三田村家と江戸時代の奉書」「奉書の広がり」「現代の奉書の名工」の4ゾーンに分け、「佐々成政判物」など計約40点を展示する。
同館は4月8日にリニューアルし、約半年間、鉄筋コンクリート造りの本館1階と木造の別館のみで展示を行ってきた。コンクリートや建材などが放出する有機酸などの物質が文化財に悪影響を及ぼすためで、同展会場の2階展示室に「枯らし期間」といわれる安定化期間を設ける必要があったという。
別館には織田信長や豊臣秀吉が越前の奉書屋に下賜したという印判のレプリカも展示。同館企画担当者は「手持ちの朱印帳やノートに押せばプレミアム感が増すのでは。近くの『卯立の工芸館』には伝統工芸士がすいた奉書も用意した」と話す。
関連イベントとして10月28日14時から、古文書講座「奉書ってなんだろう 近世編」を行う。11月5日11時からは学芸員によるギャラリートークを予定する。参加無料(入館料別)。古文書講座は要予約。
同館は来年2月上旬から、特別展「和紙の真髄-越前奉書の世界-(その二・近代編)」の開催を予定する。越前奉書に刷られた木版画作品などを展示するという。
開館時間は9時30分~17時。火曜休館。料金は、一般=300円、高校生以下無料。11月5日まで。