福井市美術館(福井市下馬3、TEL 0776-33-2990)で現在、「フィンランド・デザイン展」が行われている。
エントランスでは「ジャクエツ」(敦賀市若葉町2)が同国在住のエーロ・アールニオさんにデザインを依頼した遊具の展示も
フィンランド独立100周年を記念して企画された同展。独立以前から現在までを振り返り、同国におけるデザインの歩みを作家ごとに紹介する。石堂裕昭副館長は「北欧好きや家具好きという方が多く訪れる一方で、20代~30代の親子連れの来場も目立つ」と話す。
氷の中に電球を閉じ込めたイメージでデザインしたというハッリ・コスキネンさんの「ブロック・ランプ」や、トーベ・ヤンソンさんの代表作「ムーミン」原画など約700点を展示する。現役で活躍する80代~90代のデザイナーと次世代を担う若手との対比も興味深い。
同国に伝わる土着文様を細かくあしらった「日本の伝統工芸にも似た印象を受ける」という食器や家具の展示も。1900年の仏パリ万博で出品されたタペストリーは「フィンランド・デザインが世界的に知られるきっかけになった貴重な1枚」という。
会場には「実際に座れる椅子コーナー」と称した記念撮影スポットがあり、同館はハッシュタグ「#フィンランド・デザイン展」「#アートラボふくい」を付けたSNSでの情報発信を推奨する。
石堂副館長は「フィンランドのデザイナーはジャンルを決めず、食器、家具、テキスタイルなど全てを手掛けていることが多い。シンプルで使いやすく機能的というデザインは誰もが作れるわけではなく、20世紀に彼らが生み出した潮流が現代に息づいている」と見所を指南する。
同国でデザインされた陶器や文具、同国にあるアパレル企業「マリメッコ」のバッグなど関連グッズの販売コーナーも設ける。同展図録購入者先着500人に「2017ムーミンの日記念 ムーミンオリジナルトートバッグ」を進呈する。
開館時間は9時~17時15分。料金は、一般=1,200円、高校生・大学生=800円、小中学生=300円。月曜休館。9月3日まで。