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京福電鉄廃線跡巡るツアー 「福井の私鉄」展の一環、県外から参加者も

永平寺口駅近くにある、永平寺線本丸岡駅方面の線路跡を説明する水村さん(中央)

永平寺口駅近くにある、永平寺線本丸岡駅方面の線路跡を説明する水村さん(中央)

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 福井県立歴史博物館(福井市大宮2)が4月29日、移動講座「えちぜん鉄道車両基地見学と京福電鉄廃線跡をめぐる」を行った。

大野市内で、越前本線とJR越美北線との立体交差跡を見学する参加者

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 同館で開催中の展覧会「福井の私鉄」関連イベントとして企画し、県内外から40人が参加した。学芸員の瓜生由起さんによると「過去に例を見ないペースで申し込みがあり、4月1日の募集開始から約1週間で定員に達した。東京・神奈川・大阪などからも応募があった」という。

 講座はえちぜん鉄道(旧京福電鉄)永平寺口駅(永平寺町東古市)周辺の探訪から始まった。京福電鉄永平寺線(2002年廃線)との結節駅として、かつては4面6線の規模を誇った同駅。参加者は配付資料に記された当時の構内線形図と現在の線形を見比べながら往時をしのんだ。

 1974(昭和49)年に廃線となった京福電鉄越前本線勝山~京福大野間では、道路脇に1本だけ現存する架線柱などを見学した。学芸員の水村伸行さんが「架線柱や駅ホームの柱には廃レールが転用されることが多い。架線柱に記された『1911』というレール製造年に注目を」と説明し、参加者から驚きの声が上がる場面もあった。

 えちぜん鉄道勝山駅(勝山市遅羽町比島)に着いた一行は、貸し切り臨時列車で車両基地のある福井口駅へ向かった。列車には「京福電鉄時代から運行している唯一の形式」(同社営業開発部の吉田周平さん)という5001形が使われ、運転席の真後ろに陣取って「運転士目線」の車窓を楽しむ姿も見受けられた。

 車両基地では吉田さんが、福井鉄道との相互乗り入れ用車両「キーボ」や、除雪用のラッセル車521形・522形などの特徴を説明。車体下部を点検するための「ピット」を体験できる時間もあり、直接目にする機会の少ない床下機器に向け熱心にシャッターを切る参加者もいた。

 兵庫県から訪れたという40代の女性は「全国の仏像巡りをするうち、単なる移動手段だった鉄道に関心が向かうようになった。基地での説明では『鉄道事業を通して地元に貢献したい』という熱い地元愛も感じた。福井には京福電鉄丸岡線や福井鉄道南越線などの廃線跡もあると聞くので、続編の企画に期待したい」と話す。

 同展は6月4日まで。

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