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福井の紙販売店に活版印刷機 イベント出展軸に、ウェディング商材へ展開も

「トントン祭り」のブースで。ハンドルを押し下げて1枚ずつ印刷する

「トントン祭り」のブースで。ハンドルを押し下げて1枚ずつ印刷する

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 福井市の紙製品企画販売「ペーパージャック」(福井市問屋町1、TEL0776-26-0211)が9月下旬、活版印刷機を導入した。

組み版作業の様子。「込め物」と呼ばれるスペーサーも入手が難しいという

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 商品の一つとして、ウェディング向けなど箔(はく)押しのペーパーアイテムを手掛ける同社。箔押し品作成などで取引がある業者の紹介で「テキン」と呼ばれる手動型平圧印刷機を北海道の印刷所から購入した。製造年不明だが、本体銘板に「東京都千代田区神田美土代町」の地名や市内局番2桁の電話番号があり、1940年代~50年代製と推測される。

 大きさは、幅約50センチ・高さ約1メートル・奥行き約50センチ。重さは約70キロ。大谷佳史社長は「新しい商品企画を見据え、北海道で現物を見て即決した。動きの分かりやすいシンプルな構造が特徴で、もともと印刷業者ではない当社にとってうってつけの機械」と話す。

 印刷にはマグネシウム版や樹脂版を使う。「基となるデータをパソコンで作成できる利点はあるが、昔ながらの活字も一式そろえることができたら。活字あってこその活版印刷機で、印刷所などで眠っている物があれば引き取りも検討したい」とも。

 10月2日には、同社近くで行われた「トントン祭り 2016」で「活版らぼ」と称したブースを出展し、コースターなどに印刷できる体験コーナーに親子連れなどが訪れた。インクのかすれ具合など微妙に仕上がりの異なる「作品」が一枚ずつ出来上がるたび、子どもたちは一様に驚きの声を上げていた。

 当面は「活版らぼ」のブース出展を軸にするが、店内に印刷機を常設し「体験型商品」の展開も予定する。大谷社長は「結婚を控えたお客さまはウエルカムボードなど2人で製作できる物に興味を示す。カップルで印刷機を動かし、自分たちの名前や日付などをペーパーアイテムに入れるサービスを実現できれば」とプランを描く。

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