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福井・足羽山の笏谷石、再開発ビルへ 人力搬出イベント、200人が爽やかな汗

作業の様子。入り口から約250メートルの所にある石を搬出した

作業の様子。入り口から約250メートルの所にある石を搬出した

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 参加型イベント「笏谷石(しゃくだにいし)をみんなで運ぼう!!」が9月16日、福井市内で行われた。

ハピテラスでは神事が行われた。右後方が建設中のA街区再開発ビル

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 福井の歴史に関わる笏谷石への理解を深めると共に、来春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向け再開発が進む福井駅西口エリアへの関心を高めてもらおうと、タウンマネジメント機関「まちづくり福井」(中央1)と、笏谷石採掘坑道の保全などを手がける「越前石」(加茂河原4)が企画した。

 笏谷石は約1500年前から、市内の足羽山(あすわやま)で採掘されていたという緑色凝灰岩。石仏、石垣、橋脚など多方面で用いられ、江戸時代に北前船の運航が始まると全国的な普及を見せたという。採掘は1990年代後半に終わり、現在は古材を基に再生を施した建材や雑貨などが流通している。

 イベントは、1963(昭和38)年廃坑の七ツ尾口坑道内に明治時代から眠っていた笏谷石を人力で搬出し、福井駅西の多目的広場「ハピテラス」(中央1)を経て、再開発エリアのA街区(同)屋内広場予定地まで運ぶという内容。8月下旬に募集を始め、呼びかけに応じた親子連れなど217人が県内外から参加した。

 参加者にはお笑いコンビ「パックンマックン」のパトリック・ハーランさんも名を連ねた。開会セレモニーであいさつに立ったハーランさんは「笏谷石1500年の歴史に新たなページを刻む出来事に参加できうれしい。福井駅前にお目見えする時が来たら、『この石は私が運び出した』と自分の手柄のように自慢できる」と冗談めかし、参加者の笑いを誘った。

 9時30分過ぎ、セレモニーを終えた参加者は約1000本の竹が敷かれた坑道内に入り、ヒノキ製のそりに乗った石を綱を使って引き出した。石の大きさは、高さ=90センチ、幅=120センチ、奥行き=100センチ。重さは5トン。同機関によると、竹の上でそりを滑らせる搬出法は足羽山にある継体天皇像と同じ手法という。

 坑道入り口付近は緩やかな上り坂やカーブなどがあり作業が難航する場面もあったが、12時ごろ、石が七ツ尾口に現れると参加者から大きな拍手と歓声が上がった。夫婦で参加したという石川県在住の女性は「貴重な体験ができてうれしい。来年、北陸新幹線に乗って屋内広場を訪ねるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 笏谷石は来春オープンの同広場にモニュメントとしてお目見えする。同機関の岩崎正夫会長によると、同広場は同機関がかつて運営していた「福井まちなか文化施設 響のホール」(2020年閉館)の位置に重なるといい、「福井の歴史に深く関わる笏谷石が響のホールのレガシーにつながると思うと感慨深い」と話す。

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