鯖江市の金属加工業「ヨシダ工業」(有定町2)が6月23日、新ブランド「adelie(アデリー)」の販売を始めた。
「日々の何気ない時間をもっと気持ちいいものへ」を掲げるオーラルケアブランド。1948(昭和23)年に創業し、眼鏡部品を手始めに幅広い分野の精密金属部品加工を手がける同社が、耐食性に優れるチタン材をハンドル(柄)に取り入れた商品を展開する。同社がB to C商品を販売するのは初めて。
政府が導入を検討する国民皆歯科健診制度を見据え、医療、楽器など同社が強みとする分野の精密加工技術を生かして開発した。進行に当たってはデザインスタジオ「TSUGI」(河和田町)、プロダクトデザイナーの森敏郎さん(鯖江市在住)ら地元クリエーターの協力を得て、1年半かけて共同作業を進めたという。
一般的な歯ブラシなどと異なり本体が自立するのが特長で、第1弾アイテムとして歯ブラシと舌ブラシの2種を用意した。ブラシを植毛したヘッド部を含む全長はそれぞれ、17.4センチ、13.5センチ。いずれも、チタンシルバー、サンドゴールド、アイスブルーのカラーバリエーションで展開する。
ヘッド部は交換可能。ヘッド本体の素材に非食用の米に由来するバイオマスプラスチックも取り入れ、自然環境の負荷軽減にも配慮した。ブラシは先細毛・先丸毛の2種からなるスパイラルツイン毛で、歯科医院向けに歯ブラシを販売する大阪府内の企業の協力を得た。
8月30日まで、応援購入サイト「Makuake(マクアケ)」で先行販売の注文を受け付け、単体販売、両アイテムのセット販売、1年分(=12個)の替えブラシとのセット販売などを行う。先行販売終了後、12月から、ECサイトやセレクトショップ「SAVA!STORE」(河和田町)での販売を予定する。