福井市の賀茂神社(加茂町)が11月14日、「双葉夢叶(ふたばゆめか)ちゃんARフォトコンテスト」を始めた。
2022年2月、賀茂神社で行われた奉告祭。WAKANAさんが「夢おみくじ公式巫女」の就任を奉告した
水晶の願い玉の妖精という設定の公式マスコットキャラクター「双葉夢叶」のAR(拡張現実)アプリを軸に展開するコンテスト。自分で吉や凶を書いて夢や目標を祈願する「夢おみくじ」も行う同神社の「夢をかなえる神社」のキャッチフレーズにちなみ、専用アプリで撮った写真に撮影者の夢や目標を添えたSNS投稿を広く募る。
応募に当たっては、公式インスタグラムアカウント(@futaba_yumeka_renka)、同ツイッターアカウント(@futaba_yumeka)いずれかのフォローが必要で、撮影者自身の夢や目標を写真キャプションとして添え、ハッシュタグ「#ふたばゆめか」「#賀茂神社」を付けて投稿する。
専用アプリは外出先など任意の場所で起動できるウェブアプリ形式で公開し、1人何回でも投稿できる。応募作は福井の伝統工芸応援アイドル「さくらいと」メンバーで夢おみくじ公式巫女(みこ)の「WAKANA」さんらが審査し、最優秀賞=1点、優秀賞=2点を選ぶ。副賞としてギフト券も用意する。
ARキャラは福井市在住の中学3年生・中川悠さんが制作した。中学校の情報科学部に所属する中川さんは「3Dのゲームキャラクターを作りたい」と1年生の夏ごろから3DCGソフト「Blender(ブレンダー)」の操作に熱中。しかしコロナ禍の影響で部活動が休止となったことから、発表の場が失われていたという。
それを受けて「3D版 双葉夢叶」の制作を打診したのがコンテスト企画者で同神社氏子の水嶋弘泰さん。中川さんの母とは職場の同僚で、作品発表の場がないことを耳にした水嶋さんが「公開を前提としたARキャラクターの制作で実力を発揮してもらえれば」と中川さんの協力を仰いだという。
中川さんにとって本格的な3Dキャラクター制作は初めてで、学業の合間を縫って1年ほどかけて作業を進めた。「正面を向いた2次元のキャラ画像を基に想像を膨らませた。前後左右どこから見ても問題のないように制作するのに苦労した」と中川さん。公開に当たっては「〈model-viewer〉(モデルビューワー)」という技術を生かすことで、専用アプリをインストールせずに楽しめる仕様とした。
初詣シーズンや春先など夢や目標にちなんだ時期の応募につながればと、同神社は2023年5月中旬までを募集期間と設定した。WAKANAさんは「どこにいても双葉夢叶に会えるというアプリを作ってもらえてうれしい」と顔をほころばせ、神主の広部賀紀さんは「フォトコンテストを機に、県内外の人たちに賀茂神社の存在を広く知ってもらえれば」と期待を込める。
2023年5月16日締め切り。