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音響機器メーカーの「軟骨伝導」ヘッドホン 福井の技術が商品化に貢献

テレワーク時の商品装着イメージ

テレワーク時の商品装着イメージ

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 「オーディオテクニカフクイ」(越前市戸谷町)が手がけた軟骨伝導ワイヤレスヘッドホン「ATH-CC500BT」の販売が10月14日、始まった。

本体色はブラックとベージュで展開。パソコンやスマートフォンなど、複数台の機器をブルートゥースで接続して使用できる

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 音響機器メーカー「オーディオテクニカ」(東京都町田市)が、「ながら聴きの常識を変える」を掲げて発売したアイテム。2004(平成16)年、現奈良県立医科大学長の細井裕司さんが発見した「軟骨伝導」という聴覚経路を応用し商品化にこぎ着けた。同社によると「民生用の軟骨伝導ヘッドホンとしては世界初」という。

 同商品の企画、設計、生産計画などを手がけたのがオーディオテクニカフクイ。オーディオテクニカから同社に企画の投げかけがあったのは2021年初め。企画開発課の高橋雅彦さんは「初めから軟骨伝導ありきで開発が始まったわけではなかった。商品コンセプトを実現する音づくりを実現していく中で、より効率よく音を伝えられ、ステレオ感を得られやすい軟骨伝導方式の採用に行き着いた」と振り返る。

 重さ35グラム。最大連続再生時間は20時間。一般的なイヤホンと異なり耳穴をふさがないため、周りの生活音を遮断せず使うことができる。高橋さんは「(類似の形状を持つ)骨伝導ヘッドホンに比べて低域の表現力が豊かで音楽鑑賞のニーズにも十分応えられる。周囲の環境音を低減しながら相手に声を伝えるハンズフリー通話機能も備え、聴く・話すの両面で使い勝手の良い商品になった」と胸を張る。

 開発に当たり、社内モニター約30人の協力を得てさまざまな頭の形状にフィットするよう装着感の調整を重ねた。試作品を耳にかけた社員からは「音の出方が面白い」「ヘアバンドみたいな形なのに音が出るとは」という感想が寄せられたという。

 軟骨伝導という新奇性が追い風となり、販売開始以来、熱心なオーディオファンの注目も集める。福井発の技術で商品開発に関わった高橋さんは「オンタイム、オフタイム両方の場面で使えるアイテム。普段はイヤホンを使う習慣が少ないという福井にお住まいの方にも、新たな『ながら聴き体験』を届けられれば」と話す。

 オープン価格。オーディオテクニカ公式サイト、家電量販店などで販売する。

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