福井県敦賀市の酒販店が手がけるコーヒーリキュールが8月22日、敦賀市のふるさと納税返礼品に加わった。
商品を手にする打它社長。土産品としての展開も見据え、持ち運びに便利なボトルサイズを選んだという
新たに加わったのは、今年創業100年の酒販店「酒文化 食文化 ウタ」(三島町1)が7月に販売を始めたコーヒーリキュール「1940 Coffee Liqueur」。市内の自家焙煎(ばいせん)コーヒー店「新田珈琲(コーヒー)」(本町1)と、ノンシュガー梅酒製造などを手がける「エコファームみかた」(三方上中郡若狭町)と共同開発した。
社長の打它将さんによると、開発を本格的に始めたのはおととし。2013(平成25)年に発売した、福井県産純米酒ベースの昆布リキュール「澪曳(みおひき)」に続く自社商品第2弾の構想を巡らせる中、コーヒーリキュールの構想に行き着いたという。「癖のない風味の甲類焼酎とコーヒーで個人的に試作してみたところ、商品として販売できるのではという判断に至った」と振り返る。
「澪曳」発売直後から温めていたという構想を携え、1940(昭和15)年創業で「福井初の自家焙煎店」という新田珈琲や、同市のある嶺南エリアでクラフトリキュールを手がけるエコファームみかたに企画を持ちかけた。新商品開発などの支援を行う公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター(敦賀市長谷)にも相談したところ、同センターの「新産業創出シーズ発掘事業」の支援を受けられることとなり、プロジェクトに弾みがついた。
300ミリリットル入り。アルコール度数は15度。新田珈琲が自家焙煎したコロンビア産カフェインレスコーヒー豆を高濃度抽出し、ウオッカやてんさい糖と共に調合した。「個人的にはオン・ザ・ロックがお勧めだが、深目に焙煎してありソーダやミルクで割っても風味が口の中にしっかりと残る。アイスクリームにかけて大人のスイーツとして楽しむのもいいのでは」と打它さん。
ふるさと納税は1口1万5,000円で、同商品3本セットを返礼品に設ける。現在、ふるさと納税サイト「楽天ふるさと納税」「ふるさとチョイス」で寄付を受け付けている。
商品名の「1940」は、新田珈琲の創業年であると共に、第2次大戦中、戦火を逃れ敦賀港を目指したユダヤ難民に外交官・杉原千畝が「命のビザ」を発給した年でもある。打它さんは2024年春の北陸新幹線延伸を見据え、「地域の宝である歴史、食文化、人の要素を込め、当初の構想以上の商品に仕上がった。港町敦賀を代表する新たな逸品となるよう育てていければ」と力を込める。
同社店頭、ネットショップでも一般販売する。価格は1,397円。