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芸能生活10年の恩返し、プロジェクトに思い込め 敦賀出身・濱頭優さんインタビュー

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11月24日、クラウドファンディングサイト「kibidango」で「YUU福プロジェクト」の寄付募集が始まった。プロジェクトの主は、福井県敦賀市出身でアイドルグループ「RY's(リィーズ)」のリーダーを務める濱頭(はまがしら)優さん。

来年芸能活動10年を迎える濱頭さんが、「私を育ててくれた福井の人たちへの恩返しを」と立ち上げた同プロジェクト。これまでの芸能生活を振り返ってもらいながら、クラウドファンディングにかける思いを聞いた。

(取材・文:福井経済新聞編集部)

 

東京に住み始めて、白ごはんや水にうるさくなりました

-もうすぐ芸能活動10年ということで、まずは芸能界入りのきっかけを聞かせてください。

濱頭 中学1年生の時、東京を歩いていて雑誌の読者モデルにスカウトされたのがきっかけです。もっとさかのぼると、小学3年生の時に市内のダンススタジオでダンスを習い始めたことが芸能界の仕事につながっていますね。

ダンスを習うまではすごく恥ずかしがり屋で、学校に行ったら一言も話さないような性格でした。ダンスは仲の良かった友だちと習っていましたが、ほかの人から笑顔で拍手をもらうという経験をした時に「人前に出るような仕事ができればな」と思うようになって。

-地方に住んでいて、雑誌やテレビの世界を遠いところに感じたということはなかったですか?

濱頭 私自身は遠いと思っていましたが、母が背中を押してくれたんです。「応募してみたら?」みたいな感じでモデルオーディションの情報などを探してきてくれて、そこから少しずつ自分で行動できるようになりました。

-お母さんもそういう世界を目指していたとか?

濱頭 そうではなくて、習い事が長く続いたことに驚いていたみたいです(笑)。それまで何を習っても長続きしなかったので、「そんなに強くやりたいと思っていることがあるなんて」って驚いて、応募を勧めてくれました。

-中学生の時にスカウトされたことが今につながって、「YUU福プロジェクト」の発足に至ったというわけですね。

濱頭 福井県でいろんな仕事を頂いて、地元に対して恩返しをしたい気持ちがどんどん強くなっていきました。生まれ育った土地であるということはもちろんなのですが、仕事があまり無かった時期に手を差し伸べてくださったことがとてもうれしくて。福井県をもっともっと有名にするお手伝いができたらと思いました。

-東京で暮らしていて、「福井ってまだまだ知られてないな」と感じる場面はありますか?

濱頭 「福井ってどこ?」って聞かれるのはしょっちゅうですね。「福岡は、わかる、わかる」って返されたら、心の中で「それじゃ天神でしょう」ってツッコミを入れたりして(笑)。「石川の南にある」と言うと分かってもらえますけど、福井県単体だとなかなか…

東京にいて、「私って福井人だなあ」と感じる瞬間もありますね。白ごはんや水に対してすごくうるさくなりました。シャワーを浴びていても、東京の水のにおいは福井とどこか違うなと感じます。食べ物の味付けもしょう油っぽいというか全体的に濃く感じたりしますし。あとは魚。これはやっぱり、敦賀生まれとしては譲れない(笑)。

-地元への恩返しにはさまざまな方法があると思うのですが、クラウドファンディングのプロジェクトを選んだ経緯について聞かせてもらえますか?

濱頭 プロデューサーさんと、「福井でワンマンライブをしたいね」という話をしていたのがきっかけです。ふるさと納税型のクラウドファンディングを絡める方法も探ったのですが、いろんな条件があって実現できなかったみたいで。「それじゃ、YUU(=グループ内での濱頭さんの名前)自身がプロジェクトを立ち上げたら」という話になりました。

福井でのワンマンライブ、すごくやりたいです。デビューしてから何度かライブをさせていただいているのですが、サマーフェスやリリースイベントの出演だけなので。

-プロジェクトの概要について聞かせてください。

濱頭 東京の企業さんと一緒に福井の食材を使った福井弁当とスイーツを開発して、スイーツは代官山にあるピカソルさんで販売するというプロジェクトです。募集を11月24日に始めて、2020年1月12日までに60万円の寄付を集めることを目標にしています。

-開発段階ではどんな食材の話が出ました?

濱頭 へしこが大好きなので、へしこを具材にしたおにぎりの話は出ましたね。それから「たくあんの煮たの」。祖母の家で食べる「たくあんの煮たの」がすごく大好きで、これもお弁当に入れられたらなと。

クラウドファンディングの返礼品として、お食事イベントというのも企画していたりするので、その時に祖母の手作りみそでみそ汁を作ったりもしたいですね。

新曲を歌いながら、中学時代の「松原走」の記憶が蘇りました

-RY'sの近況についても聞かせてください。8月28日リリースの新曲「サマー・トレジャー」は、直球の青春ソングという印象です。YUUさん自身は、歌詞や音源を渡された時にどう感じました?

濱頭 「夏・夏・夏!」という爽快感があふれていて、夏を楽しみにして生きようというメッセージを感じました。「夏になったらこの曲が流れていてほしいよね」という印象で。カップリングの「きっとこれが恋ね」は、初めてボーカルがまっすぐ立って歌うような楽曲で意外でした。

-そういう楽曲は今までに無かったのですか?

濱頭 無かったですね。ボーカルが一列に並んでいる曲は初めてで。フルートやピアノの見せ場があるのがRY'sの特徴なのですが、楽団員(=ファン)の皆さんからは「楽器と同じぐらいボーカルが大事だということを認識させられた」という感想も聞きました。

対照的な2曲で、夏本番と夏の終わりをそのままCDにした仕上がりになりました。

-海辺の風景が描かれている「サマー・トレジャー」をレコーディングしていた時に、敦賀にいたころの記憶が重なったりしました?

濱頭 重なりました。中学生の時、部活動つながりで仲の良かったグループでよく海に遊びに行った時の記憶が「サマー・トレジャー」みたいだと思いながら歌いました。

中学校が海のすぐ近くだったので、気比の松原の松林をグルグルって走る「松原走」というのが体育の授業や部活動の時間にあったんです。砂は靴に入ってくるわ、夏は砂がすごく熱くて大変だわ…そういう記憶もリアルに蘇ってきて(笑)。

-これまでのRY'sの作品を聴いてきて、季節感のある楽曲というのはあまり無かったのではという印象です。

濱頭 今までは季節を限定せず一年中歌える歌で曲数を増やすという方針でした。曲がある程度増えてきたので、季節ごとの曲を増やしていけたらという試みを今回の楽曲で実現させることができました。

今年の夏は新メンバーが入るか入らないかというタイミングだったので、新メンバーが入ったらレコーディングに参加してほしいねという話があったんです。新メンバーが決まったのが7月、レコーディングが8月で、なんとか8月中にリリースできて。

-レコーディングはかなり急ピッチでした?

濱頭 私は3時間で2曲録音しました。メンバーの「RUKA」と「SUAI」に至っては、ミュージックビデオ(MV)撮影前日にレコーディングして、翌日がMV撮影というすごくタイトなスケジュールで。

-MVではタオルを振りまわす振り付けがあって、ライブでのノリも狙っているように感じました。

濱頭 MVはもともと外で撮る予定でした。でも、その日がすごい大雨で、撮影用に借りていたテラスハウスで急遽撮ることになったんです。それで、「せっかく屋内でやるなら、今までのMVになかったようなダンスシーンを入れてみようよ!」という話になって、結局ほぼダンスビデオになりました。

-雨が降ってなかったら、歌詞の世界を描いた内容になっていたってことですか?

濱頭 そうですね。イメージビデオのようなカットも撮れていたかも。幻のバージョンということで私自身も見てみたいです。

-新メンバーの加入後にまとまった形でパフォーマンスをしたのは、撮影の時が初めてでした?

濱頭 初めてですね。撮影でもダンスレッスンが3回しかなくて(笑)。位置編成が全くできていない状態から、ダンスの先生とメンバーの立ち位置を話し合いながら撮っていきました。

(新メンバーの)「YURIKA」はその場でキーボードを弾きながらダンスでしたし、キーボードもピアノより鍵盤の幅が狭いものだったし、楽譜もギリギリのタイミングで届いたし…という条件で。そんな中でパフォーマンスしてすごいなと、お母さんのような目線で見ていました。こういう時期もあったなと思いながら(笑)。

新メンバーを見ていると、成長のスピードがすごく速いなと思います。私は(前身グループから数えて)5年になるのですが、それこそ3年くらいはなかなか上達しなかったし、最近加わったメンバーは本当にすごいなと感じます。


RY'sのメンバー。左から、YURIKAさん、JINさん、YUUさん、RUKAさん、SUAIさん

中国留学で自分自身の心の殻を破って帰ってきました

-5年間の活動の中で、グループの一員としての意識は変わっていきました?

濱頭 つらい時期もありましたけど、2018年にリーダーになって改めてチーム全体を見ることができるようになりましたね。それまでは追う立場として一生懸命でしたけど、周りの子たちを素晴らしい状態に導いてステージに立ってもらうことや、楽しいと思ってもらえるようなことに意識が変わっていきました。

-変化の背景には、2017年秋から翌年春にかけての中国留学の影響もありますか? RY'sの活動を一時中断しましたよね。

濱頭 離れた土地で一歩引いてみんなのライブ映像を見た時、「ここをこうした方がもっと良くなるだろうな」という改善点が見えたというのはあります。自分自身、中国で心の殻みたいなものを破って帰ってくることができましたし。メンバー同士が話し合えるような場をそれまで以上に設けられるようになったのも、留学に行ったからこそなんだろうなと思います。

-ライブといえば、12月27日に東京の内幸町ホールで予定されているイベントが今年の締めくくりになりますね。

濱頭 初めてのホールライブで、YURIKAが入っての5人体制、新曲もあって…という内容なので、次のステップに進むための大事なイベントだと考えています。

RY'sというユニットはメンバーそれぞれのソロ活動がベースにあって、リハーサルの回数もけっこう限られていて。私はその場で物事を覚えられるタイプじゃないので、家で歌割りの構成を思い浮かべながら歌い方や踊り方など、自分なりの表現を考えてしっかり準備して現場に臨むようにしています。

スタッフさんから「ライブではミュージカルみたいなコーナーもあるといいね」とも言っていただいているので、いろんな新しい試みを取り入れられれば。5年間の集大成を見せたいです。

-では最後に、クラウドファンディング開始に当たって福井のみなさんにメッセージをいただけますか?

濱頭 自然が豊かな福井という土地で、いろんな方々の温かさに支えられて育ってきました。そういう福井の良さが「幸福度ランキング」上位という結果に表れていると思いますし、私も福井出身だからこその視点で地元の良さを伝えられたらなと考えています。数字にすると60万円とちょっと生々しいのですが、強い気持ちで臨むので達成に向けての応援どうぞよろしくお願いいたします。

 


8月28日発売
シングル「サマー・トレジャー」

1,389円(税別)

 

関連リンク
YUU福プロジェクト
SHOWROOM特設サイト「RY's・YUUの『YUU福プロジェクト』」
福井でアイドル「RY's」ライブ 敦賀出身・濱頭優さん、地元での新曲披露に笑顔(福井経済新聞)
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RY's オフィシャルサイト

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