JR福井駅西口の商店街「サンロード北の庄」で11月2日、美容とファッションのイベント「美fes 2014」が開かれた。
「福井大好き。アットホームな雰囲気の中で気軽に話せた」と話す鹿沼さん
福井県内の美容業界関係者などでつくる「美のまちふくいプロジェクト」が企画。福井県内の美容室やネイルサロンなどおよそ50店の体験ブースが軒を連ねた。同県内にあるアパレル店スタッフによるフリーマーケット、ヘルシーフードを販売する「美食マルシェ」なども出店した。
体験料金は500円と1,000円の2通り。手頃な値段ということもあり、20代女性中心に多くの人々が詰め掛けた。ネイル体験ブースを出した「NAIL STUDIO EMO」(福井市菅谷1)のスタッフは「午前中だけで15人ほどのお客さまが来店して夕方までの予約がほぼ埋まった。予想を超える反響に驚いた」と話す。
特設ステージではトークショーを開催。福井市出身のファッションモデル鹿沼憂妃さんをゲストに迎えた。鹿沼さんは、普段の美容法や自ら出演した「東京ガールズコレクション」の舞台裏などを紹介。来場者からの質問にも応え、「ハイヒールでかっこよく歩くには、足の形にフィットするものを選ぶことが大切」などとアドバイスした。
同プロジェクトは今年6月にスタート。「美」をコンセプトに同市中心市街地エリア活性化を目指す。活動のきっかけとなったのは、同商店街に隣接する柴田神社(北ノ庄城跡)。NHK大河ドラマ「江 ~姫たちの戦国~」で鈴木保奈美さんが演じた「お市の方(市)」ゆかりの地だ。
プロジェクト立ち上げにあたり、代表の竹本祐司さんは同神社にまつわる逸話を柱に据えた。「お市の方は戦国時代随一の美女とも言われる女性。お市の方にちなんだ『美』を掲げれば、活動の方向性をみんなで共有できる。『何でもあり』の活性化プランは焦点がぼけると考えた」
竹本さん自身は同エリア住民ではない。30代前半で、同エリアが活気づいていた1970~80年代を肌で知る世代でもない。「それでも高校時代は今より活気があったと感じる。お店を構えるアパレル業界の人たちにも仲良くしてもらい、10代を楽しく過ごした思い出がある」。年長者への尊敬と恩返しの気持ちも活動の原動力という。
他方で竹本さんは、およそ1000人を動員する街コンイベントの旗振り役でもある。「街コンでも『美fes』でも出会いの活性化を第一に置き、地元の店を良い意味で巻き込むことに力を注いでいる。街なかで住む人や商売する人が自ら盛り上がって、初めて街は活気づく」。街のにぎわいは人々の出会いから生まれると強調する。
同プロジェクトの活動はイベント運営にとどまらない。来年3月1日、同エリアで美容関連ショップ20店舗の同時オープンを予定する。「『美のまち』の観光地化を目指す。屋外の自販機をヘルシードリンクに絞るなど、ディテールにもこだわりたい。まちづくりにテーマができれば街の動きが一つになるはず」と意気込む。