福井県永平寺町に8月3日、フレンチ店「旧郵便局のレストラン ぷぅあぷぅ ラポスト」(永平寺町東古市、TEL 0776-63-1165)がオープンした。
前菜のお薦め一品より「広島産ムール貝と香味野菜のワイン蒸し」
店舗面積は約50坪。席数は、カウンター4席、テーブル席18席。越前町内のフレンチ店で14年間シェフを務めた近岡靖二さんが準備を進め、えちぜん鉄道永平寺口駅近くにある築約65年の旧郵便局舎をリノベーションし開店にこぎ着けた。
ランチには、魚料理・肉料理のいずれかを主菜に選べる「Bランチ」(2,160円)、若狭牛ステーキが付いた「Cランチ」(3,888円、要予約)などを用意。ディナーには、前菜・主菜・デザートを選べる「チョイスコース」(3,024円~)、前菜2品・ハーフパスタ・主菜2品などシェフお任せの「ラポストコース」(5,400円~、要予約)などをそろえる。ドリンクは仏・伊・スペイン産のワイン(フルボトル2,160円~)など。
近岡さんは石川県宝達志水町出身。5年前に永平寺町に移住し、同町内での店舗開業プランを温めていたという。「1年ほど前から本格的に物件探しを進め、地元銀行支店長の紹介で旧局舎の存在を知った。当時南側に倉庫があり見落としていた建物だったが、屋根の造りなど南仏の建物を思わせるたたずまいに一目ぼれ。季節を通して周りの景色を観察し、店のイメージを膨らませていった」と振り返る。
郵便局移転後に町の集会施設として使われ、解体の話も持ち上がっていたという同物件。入札で購入した後に大工らと改装を始めるも、「もともと公共機関の建物で図面が入手できず、測量から始めるような状況だった」。用途変更の手続きもあり、当初予定から開店が約1カ月ずれ込んだが「関わってくれた人たちの思い入れが重なり、建物の特性を生かした店になった」と笑顔を見せる。
同店では、南仏プロバンス地方の地中海料理をベースにしたメニューを提供。「みそや酒かすなどの調味料も積極的に取り入れ、この土地ならではのフレンチを作り上げていきたい。永平寺は和の食材を取り入れた料理にぴったりの土地柄で、精進料理風のフレンチができないかという相談も受けている」とも。
同店周辺には、1914(大正3)年建造の旧永平寺口駅舎、レンガ造りの旧京都電燈(でんとう)古市変電所、築約100年の古民家を改装した「cafe chotto」など風情のある建物が多い。近岡さんは「開店に当たりお世話になった多くの人たちに、今度は自分が恩返しをする番。永平寺の門前町とは違う『もう一つの永平寺の顔』として、東古市をしゃれた大人の遊び場にしていければ」と意気込む。
営業時間は、11時30分~14時(ラストオーダー)、17時30分~21時(ラストオーダー)。月曜・第2火曜定休。