あわら市の温泉旅館「グランディア芳泉」(あわら市舟津)に12月1日、サウナ付き客室「瑠璃(るり)」がオープンした。
宿泊可能人数は2人~6人。既存のメゾネットタイプ客室2室を、1階部分に寝室、2階部分に入浴設備を設ける構成に改装した。常務の山口高澄さんによると、「客室内で本格的なサウナを体験できる宿泊施設は福井県内で初」という。
2階部分に、サウナ、水風呂、半露天風呂、レイニーシャワーを設ける。サウナはフィンランド発祥のロウリュウ形式で、熱した石にアロマ水をかけることで香りとサウナの蒸気を楽しめる。サウナの室温は80度~90度に、水風呂は「ととのう」ための理想的な温度とされる16度にそれぞれ保たれている。
山口さんは「通常は別々になりがちな設備を一つのエリアにまとめた。使いやすさとプライベート感を高めることで、温泉旅館ならではの唯一無二のサービスを提供できればと考えた」と振り返る。
寝室は、セミダブルベッド2台を備えた洋室と、12.5畳の和室の構成で、窓際にリビングスペースも設けた。客室のコンセプトである「伝統的な和の趣と現代的な快適さを融合させた空間」に基づき、来年初め、洋室の内装に越前和紙を取り入れる予定という。
同客室は同館上層階の11階・12階にあり、窓からあわら市の田園風景を一望できる。山口さんは「数年前からサウナ付き客室の構想を練り、『旅館も地域も輝いてほしい』という願いを込めて宝石由来の客室名を付けた。サウナ人気を背景にした客層を呼び込むことで、福井の魅力発信や地域活性化につなげられれば」と話す。