福井県民参加型事業「福井の方言愛着ましましプロジェクト」が6月13日、スタートした。
「福井の方言愛着ましましプロジェクト」ホームページより。公式SNSはTikTokとインスタグラムで展開し、ハッシュタグ「#福井の方言」を付けた動画や看板などの投稿を呼びかける
2024年春に予定する北陸新幹線福井・敦賀開業を見据え、県民の機運向上や観光客もてなし事業活性化を図ろうと、福井県文化課と民間企業でつくる実行委員会が企画した。普段使われる方言を地域の宝と位置付け、映画製作、方言辞典編さん、方言LINEや方言Tシャツのデザインコンテスト、方言アプリ開発などの事業を展開する。
事業推進に当たり、福井市出身の俳優・津田寛治さんが「福井県“おもてなし担当”知事」として就任。福井県庁で記者発表を行い、「方言は私たちの先祖が代々大切にしてきた『ふるさとの音』。福井にしかない地元の音を大切にすることが、福井への愛着を増すきっかけになるのではと考えた」とあいさつした。
映画は「おと」(仮題)と題したオムニバス作品で、鯖江市出身で映画監督の片山享さんがメガホンを取る。小浜市を皮切りに撮影が始まっており、冬にかけ、福井市、敦賀市、越前海岸、勝山市で順次撮影を進める。作品は2022年度中の完成を予定し、国内外の映画祭への出品を目指す。
LINEスタンプの募集は10月にかけ計3回、Tシャツは7月上旬にかけそれぞれ行う。県内在住者と福井県出身者を対象に公募し、スタンプには「よく来てくださいました」を意味する方言を絵柄に盛り込むことなどを条件とする。応募作はホームページや公式SNSアカウントなどで公開し、専用フォームからの投票結果を基に選考する。賞金は計40万円。Tシャツ入賞作は一般販売も予定する。
同プロジェクトは県の2022年度事業として行い、県内高校生で組織する編集部が取材・執筆する方言辞典の発刊(2023年3月予定)、福井商工会議所青年部が作る県観光アプリへの方言案内機能搭載(今夏以降)などを順次展開する。実行委員会は企画趣旨に賛同する個人、企業、団体などのプロジェクト参加も呼びかける。