福井県坂井市の洋菓子店などが2月5日、「日本酒ガトーショコラ・三國(みくに)物語り」の販売を始める。
「三國物語り」を醸造する久保田酒造。3月6日、酒蔵開放イベントでガトーショコラの販売を予定する
考案したのは、洋菓子店「パティスリースリール」(三国町覚善)店主の西坂英晃さん、蔵元「久保田酒造」(丸岡町山久保)社長の久保田直邦さん、宿泊施設「休暇村越前三国」(三国町崎)の野口新之介さんの3人。「福井の魅力ある素材を全国に知ってもらいたい」という思いをガトーショコラに込めた。
開発は昨年9月、西坂さんと野口さんとの雑談から始まった。2人は2016(平成28)年、同施設20年記念を機に共同開発した「うららのみくにロールケーキ」でつながった間柄。納品に訪れた西坂さんと野口さんとの間で、ロールケーキに次ぐ第2弾にできるようなコラボ商品の話が盛り上がったという。
さまざまなアイデアを出し合う中、洋菓子と酒類の相性のよさを踏まえて日本酒を使ったガトーショコラに照準を定めた。試作当初は日本酒の風味が強すぎるなどの課題があり、同施設向けの日本酒「三國物語り」を醸造する同蔵元に相談を持ち掛けたという。
久保田さんのアドバイスで、ガトーショコラには「三國物語り」で溶いた大吟醸酒の酒かすを使うことにし、カカオ分72パーセントのチョコレートを使ってビターな味わいに仕上げた。「三國物語り」に漬け込んだアンズとイチジクのドライフルーツも加え、食感にアクセントを付けた。
福井のブランド地鶏「福地鶏」の卵、福井県産の小麦粉「ふくこむぎ」など、地元素材を取り入れることにもこだわった。酒かすの利用を提案した久保田さんも「封を開けた時に日本酒の香りが漂い、甘いものが苦手な人も食べ飽きない」と満足げな様子だったという。
1個45グラムで、5個入り個包装仕様で販売する。野口さんは「西坂さんに何度も試作をお願いしたり、久保田さんから風味向上のヒントをもらったりして、まさに『俺たちのスイーツ』が出来上がった。我が子のような菓子ができたことがうれしく、三国の新たな名物として成長してもらいたい」と話す。
価格は1,800円。パティスリースリール、休暇村越前三国売店コーナー(以上、坂井市)、ファーマーズマーケットきららの丘(あわら市)のほか、休暇村産地直送便サイト「Qパック」でも販売する。