福井県文学特別顧問・加賀美幸子さんによる古典講演会が10月23日、福井県立図書館(福井市下馬町)で行われる。
会場の福井県立図書館。福井駅東口から同館まで、無料連絡バス「フレンドリーバス」が運行している
古典文学などに親しんでもらうことを目的に県が2018(平成30)年度から行う事業の一環で、生涯学習・文化財課が企画した。「福井県文学特別顧問 加賀美幸子と読む『徒然草』 ~コロナの時代に響く兼好法師からのメッセージ~」と題し、朗読を交えて約2時間の講演を構成する。
加賀美さんは1940(昭和15)年東京都出身。元NHKエグゼクティブアナウンサーでニュースから古典まで幅広いジャンルの番組に携わった。現在はNPO法人日本朗読文化協会(東京都港区)名誉会長、千葉市男女共同参画センター名誉館長などを務め、NHK「古典講読」「漢詩をよむ」「全国短歌大会」なども担当している。
担当職員の鷲山香織さんによると、題材の「徒然草」は加賀美さんとの打ち合わせの結果決まったという。決定の経緯について鷲山さんは「作品が書かれた鎌倉後期は自然災害や飢饉(ききん)などが相次いだ時代。先行きが見通せない現代とも通じており、受講される方にストレートに響くのではと話がまとまった」と説明する。
新型コロナ禍の影響で古典講演会の開催は約2年半ぶり。鷲山さんは「久しぶりにリアルな場でイベントを開催できることがうれしい。加賀美さんは古典の魅力を分かりやすく説明し、会場の反応を見てコミュニケーションを取りながら話を展開する方。普段、古典になじみがないという方も気軽に足を運んでもらえれば」と呼び掛ける。
新型コロナウイルス感染症防止のため、本会場(多目的ホール)、本会場の映像を視聴するサテライト会場(研修室)の2カ所で行う。
13時30分開演。入場無料。定員は100人(先着順)。10月1日からホームページで参加を受け付ける。