「第13回 福井映画祭」が11月30日・12月1日、福井市にある映画館「メトロ劇場」(福井市順化1)で行われる。
実行委員長の酒井さん。「応募作品の延べ時間は170時間ほど。夜、休日、昼休み中など、仕事以外の時間ほぼ応募作品を見る毎日だった」と振り返る
公募形式で行われる自主製作映画の上映イベントで、福井県内に住む映画愛好者らでつくる実行委員会が企画。長編、短編、アニメーションのコンペティション計3部門に計297作品が寄せられ、福井市出身の映画プロデューサー・渡邉一孝さんら審査員が上映作品を絞り込んだ。
プログラムは、30日=短編2本・長編2本、1日=アニメーション6本・短編2本・長編2本で展開し、観客投票でグランプリを決める。実行委員長の酒井潤さんは「SFファンタジー、ラブストーリー、エロスを感じる作品など例年以上にバラエティーに富んだラインアップになった。侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の中で審査したかいがあった」と話す。
特別企画として、曹洞(そうとう)宗の若手が僧侶の日常を演じる「典座-TENZO-」(富田克也監督)、招待作品として、幼なじみの女子大生の間で生まれる機微を描いた「共想」(篠崎誠監督)も上映。制作者や出演者らの舞台あいさつも行う。「ともに東日本大震災後の日本の姿を軸にした作品。『典座』を手掛けた制作集団『空族(くぞく)』はテレビ放映や映像ソフト化を行わないポリシーを掲げており、北陸で作品が見られる機会はまれでは」
同館での開催は昨年に続き2回目。酒井さんは「初めて映画祭に来たという方も多く、メトロ劇場が持つ吸引力を実感した。作品上映ごとに監督や出演者らが登壇し、製作秘話などを話す構成も好評だった」と振り返り、「時代の空気がダイレクトに現れる自主映画の魅力を、観客と作り手で共有できる一日になれば」と期待を込める。
開演は、30日=13時、1日=11時。料金は、前売り=1日券1,300円、2日券2,000円、当日=1日券1,500円。高校生以下無料。「典座」は別料金で1,500円。