福井県内のIT企業有志でつくる団体「プログラミング クラブ ネットワーク」(以下、PCN)が6月6日、子ども向けプログラミング学習用PC「IchigoDake(イチゴダケ)」の販売を始めた。
電源を入れたまま抜き差しできる「ホットスワップ」に対応する両商品
2014年春の販売開始以来、国内外でシリーズ累計2万5000台以上を売り上げている福井発PC「IchigoJam(イチゴジャム)」「IchigoLatte(イチゴラテ)」をベースに、中央演算処理装置(CPU)などコア部分だけをまとめた同商品。ビデオ出力端子や電源用のマイクロUSB端子などを備えた、同時発売のドックステーション「IchigoIgai(イチゴイガイ)」と接続して使用する。
IT企業「ナチュラルスタイル」(福井市和田東1)社長で同団体代表の松田優一さんは「小学生の時に学習するリコーダーのように、1人1台にまでプログラミング学習用PCを普及させるのがPCNの目標。筆箱に入れたりランドセルに下げたりして持ち運べるIchigoJamがあればと考え、2月ごろに思い付きでスケッチを描いた」と明かす。IchigoDakeはBASIC版とJavaScript版の2種類。
同社システムエンジニアでハードウエア設計に携わった田中里依さんは「ドックとの接続方法としてラフな着脱に耐えうるUSB端子を採用した。仕様上USBポートが2つ必要で、端子の間隔をギリギリまで狭めたところから設計を始めた」と話す。IchigoDakeでは、CPUを囲むように抵抗などの部品を斜めに配置する設計とし「見た目にこだわりデザイン的要素も兼ね備えた」とも。
サイズは、IchigoDake=縦3センチ・横5センチ、IchigoIgai=同3.5センチ・同7.5センチ。IchigoDake・IchigoIgaiとも一部の部品をはんだ付けするハーフキットとして販売する。松田さんは「はんだ付けはIchigoDakeで9カ所しかなく、はんだ付け未経験の子どもでも15分程度で完成する。PC組み立てとプログラミング体験を組み合わせた1時間程度のイベントを企画していただいてもよいのでは」と指南する。
「1人1台」のPC環境整備に向け勝山市立平泉寺小学校(勝山市平泉寺町)への導入を支援する。松田さんの個人プロジェクトとして、IchigoIgaiを同校図書室と平泉寺児童館(同)に数台ずつ、全校児童と全教員に各1台のIchigoDakeを寄付する計画で「放課後や家庭での自習も含めた環境整備は全国的にも珍しいのでは」。2020年に予定される小学校でのプログラミング教育必修化を見据え、今後の普及に期待を寄せる。
価格は両商品とも980円(税別)。公式サイト、ニシザワ紙文具店(鯖江市旭町1)、「PCN フラッグシップ秋葉原」(東京都千代田区)などで取り扱う。