福井市の映画館「福井コロナシネマワールド」(福井市大和田2)で2月19日、福井出身の元プロレスラー・天龍源一郎さんの舞台あいさつが行われた。
後半の記念撮影タイムでは、ファンから「みんな笑顔で」「嶋田代表も一緒に」などのリクエストも
同18日、同館で上映が始まったドキュメンタリー映画「LIVE FOR TODAY -天龍源一郎-」のキャンペーンとして、天龍さんの所属事務所「天龍プロジェクト」(東京都港区)や同館が企画。出身地の勝山市など市内外からプロレスファンら約100人が詰め掛けた。
12時過ぎ、ギタリスト・高中正義さん作曲のテーマ曲「THUNDER STORM」と共に会場に現われた天龍さんは「2015年2月の引退会見から11月の引退試合までを順番に記録していっただけだが、川野浩司監督の構成や染谷将太さんのナレーションのおかげで素晴らしい映画になった」とあいさつ。
「プロレスを題材にしているが、家族である『嶋田家』を第三者の視点で描いた側面もある」とも話し、「現役時代は毎日もがき続けるような人生で、家族や周りの人々の支えで40年間もプロレスを続けることができた。同じような心境にいる男性にとって『自分を支える人たちの存在』に気付くきっかけとなれば」と呼び掛けた。
舞台あいさつのMCを実娘で同事務所代表の嶋田紋奈(あやな)さんが務めた。嶋田さんに凱旋上映の感想を問われた天龍さんは、かつて力士時代に同じ相撲部屋だった湊川(大徹)忠晃さん(大野市出身)を引き合いに「たくさんの方に映画を見て頂くことができ、ようやく大徹さんに勝てた気分」と冗談を交え会場を沸かせた。
映画は、両国国技館(東京都墨田区)で引退試合を行うまでの「引退ロード」10カ月の記録を中心に構成。ザ・グレート・カブキさんやドリー・ファンク・ジュニアさんらとの交流、「プロレスは伝承文化」と若手プロレスラーに次世代を託す姿なども織り交ぜながら「ミスター・プロレス」と称される天龍さんの人柄を描く。
10時からの上映と共に観覧したという、鯖江市在住の40代男性は「気迫を持って体を張る姿がカットの1つ1つに表れていて、2時間という上映時間がものすごく短く感じた。父の戦いを家族で支える姿はプロレス界だけの特別な話でなく、世の働くお父さんたちにも共感してもらえるのでは」と感想を話した。
同館での上映は、3月3日までの予定。