福井市のIT企業「ナチュラルスタイル」(福井市和田東1)が1月20日、プログラミング学習PC「IchigoLatte(イチゴラテ)」の販売を始めた。
「Latte キャンバス」(中央)使用例。LEDや抵抗などをハンダ付けして電子サイコロを作った
2014年春の販売開始以来、国内外で2万台以上を売り上げている「IchigoJam(イチゴジャム)」の姉妹商品。手のひらサイズの基板上にマイコンや入出力端子などを配置し、ビデオ端子付きのテレビ、キーボード、電源をつなぐだけで使える設計となっている。「ちょっぴり大人な子ども向けパソコン」をうたい、基板色をチャコールグレーとした。
プログラミング言語「BASIC」を採用したIchigoJamと異なり、ウェブアプリ開発などに使われるプログラミング言語「JavaScript」を扱えるようにした。広報担当の前田望さんは「BASIC以外の言語を扱いたいという要望が多く、当社の社長が昨年春ごろ、個人プロジェクトとして始めた。当初はIchigoJamのOSを書き換え、開発版のOSを随時公開しながら作業を進めた」と明かす。
電源オンですぐ「Latte Shell」の頭文字を取ったというインターフェース「lash」が起動し、「vi」コマンドでテキストエディターを呼び出してプログラムを作成する。「容量の制約がありプログラミング実務で使われる『vi』そのままではないが、開発者のちょっとした遊び心を感じる」と前田さん。
基板上に汎用(はんよう)入出力ポート、シリアル通信ポート、自由に電子回路が組める「Latte キャンバス」という領域なども設け、JavaScriptでハードウエアを制御できるようにもした。温度センサーからデータを取得してプログラム処理したり、同商品に接続したロボットを制御したりする活用法があるという。
作ったプログラムを、同社が運営するプログラム投稿サイト「Kidspod;(キッズポッド)」で公開することもできる。前田さんは「JavaScriptを学ぶことによって実務でも生かせるプログラミングの知識がより深まる。ハードウエアをつなげられるJavaScript機というのも売りで、イチゴラテでのプログラミング体験がハードウエア開発者の増加にもつながれば」と話す。
価格は、完成品=2,376円、ハーフキット=2,160円。公式サイトや「PCN フラッグシップ秋葉原」(東京都千代田区)などで取り扱う。