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福井・坂井の病院に巨大絵画 気鋭の美術作家が描き下ろし

パネルの重さは約80キロ。10人がかりで搬入した

パネルの重さは約80キロ。10人がかりで搬入した

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 福井県坂井市の春江病院(坂井市春江町針原、TEL 0776-51-0029)1階ロビーに、美術作家・蓮沼昌宏さんの描き下ろし作品がお目見えした。

搬入後、足場を組んで最後の仕上げに臨む蓮沼さん

 蓮沼さんは1981(昭和56)年東京都生まれ。東京芸術大学大学院博士課程を経て、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟県)や「瀬戸内国際芸術祭」(香川県・岡山県)での作品展示などの活動歴を持つ。脳科学者・茂木健一郎さんの小説「東京藝大物語」のモデルにもなった。

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 描き下ろし作品は今年初め、同病院を運営する医療法人博俊会の嶋田俊之理事長が知人を通じ依頼した。6月2日の同病院新築移転を控え、「有名作家の絵を購入するのではなく、自分たちの思いをくみ取り、ストーリーを大切にしてくれる作家に制作依頼したいと相談した」ところ、蓮沼さんを紹介されたという。

 蓮沼さんは4月上旬に福井を訪れ、同病院設立地の訪問、病院スタッフや利用者らへの取材、福井県児童科学館「エンゼルランドふくい」(坂井市春江町東太郎丸)でのお絵描きワークショップなどを行った。4月27日からは同病院の医師住宅をアトリエに作品制作を始め、5月15日には新病院内覧会に合わせてアトリエ公開と子ども対象のワークショップも行った。

 お目見えしたのは、縦2.3メートル・横5.2メートルの越前和紙に描いたアクリル画「ひろがるば」。水田や麦畑、旧病院の中庭にあったシイの木、さまざまな形に変化する恐竜のような生き物など、同病院や福井の自然をモチーフに透明感ある色使いで描いた。

 蓮沼さんは「病院はその地域にとっての『休憩スペース』であり、患者やその家族がエントランスの待合コーナーで過ごす時間を『休憩時間』と捉えた。大きな木の下で休んでいるような気分で、心安らぐひとときを過ごしてもらえれば」と話す。

 制作期間は約1カ月で、「和紙の風合いを生かすため、あえて額縁には入れずにパネル貼りで仕上げた」と蓮沼さん。作品はオープン展示で、病院利用者以外でも鑑賞できる。

 診療時間は9時~18時(木曜・土曜は13時まで)。

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