福井の眼鏡業界と大阪樟蔭女子大(大阪府東大阪市)が現在、共同で「めがね女子プロジェクト」を進めている。
鯖江産の眼鏡を試着し「すっとフィットする作りに感動」と口をそろえる、鉄谷さん(左)と谷路さん(右)
国内唯一の化粧学専攻を持つ同大被服学科の「MADE IN JAPAN」シリーズ第1弾。同学科と県内企業とのコラボで、量産・販売を視野に開発を行う。同学科の広報担当者は「学生にファストファッションとは異なる『ものづくり』の技術や価値を認識してもらうのが狙い」と話す。
手始めとして3月16日、同学科2年の鉄谷梨紗さんと谷路雛乃さんが、同大フリーペーパー「Chocolat(ショコラ)」取材の一環で「マコト眼鏡」(鯖江市丸山町2)を訪問。増永昇司社長から眼鏡産業の歴史や製造工程について説明を受けた後、製造現場を見学し、バフ掛け(=研磨仕上げ)などの作業を体験した。
1905(明治38)年に福井市生野町で始まった福井の眼鏡産業は、工程の分業化や職人の独立促進などで国内トップシェアの産地を形成した経緯を持つ。見学を終えた2人は「眼鏡製造が分業制と知り、鯖江が人のつながりを大切にする土地ということが分かった」(谷路さん)、「職人さんの手仕事を見学して、自分の眼鏡をもっと大事にしようと思った」(鉄谷さん)などと振り返った。
同プロジェクトで作る眼鏡は、同大などを有する樟蔭学園(大阪府東大阪市)創立100周年記念を意識したモデルになるという。眼鏡ブランド「Onimegane」を展開し、同学科と企画を進める予定の「メガネフィルム」(福井市木田1)の小永組雄社長は「年配の卒業生の購入も想定される。購入者層や長期的なトレンドを踏まえ、色味、素材、デザインなどについて助言できれば」と話す。
同学科では4月以降、学生有志によるプロジェクトを本格始動し、約1年半かけて眼鏡作りを行う。