福井県大野市の越前大野城(大野市城町3)で1月15日、地元有志が「バルス祭り」を行った。
気象条件が重なり同市内が霧に包まれると、同城は「天空の城」へと姿を変える
「バルス」は、アニメ「天空の城ラピュタ」のヤマ場で現われる呪文で、同日夜のテレビ放映でも登場した。放映の度、ファンらがせりふに合わせ「バルス」とツイートするのが恒例となっており、日本テレビ(東京都港区)が「『バルス』みんなの時刻予想」と題したホームページを開設するなど、放映前から「祭り」さながらの盛り上がりを見せた。
ネット上の「祭り」に反応したのが、同市内にある古民家カフェ&ゲストハウス「Cafe Name came Ono(ナマケモノ)」オーナーの二見祐次さん。「市内にある越前大野城は、気象条件によって雲海に城が浮かぶ『天空の城』の姿を見せる。地元の観光資源である『天空の城』に向かって、みんなで呪文をツイートしたら面白そう」とフェイスブック上で呼び掛けた。
二見さんは「バルス」登場時刻を23時20分ごろと予想し、知人の吉田克弥さん、道鎭郁生さんらと、23時ごろ同城前に集合した。「どうやってツイートすれば」「ハッシュタグを付けた方がいいのか」などと打ち合わせしながら、せりふの登場を待ち構えた。
23時23分14秒ごろ、参加者は「バルスきたー!」と声を上げながら手元のスマホで一斉ツイート。同行した「福経」記者も一緒にツイートしたところ、雪景色の城にうっすらと霧がかかってきた。NTTデータ(東京都江東区)のツイート集計によると、同時刻の「バルス」数は約5万5000件、同アニメ放映中の「バルス」総数は140万4018件だったという。
参加者の岸本峰波さんは「前回は自宅で『バルス』ツイートしたが、みんなで一緒に盛り上がれて楽しかった」、岡田冬美さんは「夜の大野城からの夜景がきれいで、新たな大野の一面を発見できた」と振り返った。二見さんは次回放映へ期待を寄せ、「クラウドファンディングで資金を集め、『バルス』と同時に花火を打ち上げたい」と意欲をのぞかせた。
同城は、同市内にある亀山(標高249メートル)山頂付近にあり、1968(昭和43)年再建の天守内には歴代城主の遺品が数多く展示されている。現在は冬期休館中で、3月下旬に同市七間通りで行われる「七間朝市開き」に合わせ再開を予定する。