福井県坂井市で9月26日、まち歩きイベント「2015 三國の台所・つまみ食いWALK」が行われた。
同市三国町内の飲食店など11店でつくる団体「越前三國 あきない処(どころ)」が企画し、昨年に続き2回目の開催。北陸三県の新聞紙上などで募集をかけたところ、定員30人に約600人の応募があり、高倍率をくぐりぬけた参加者は「三国湊町家館」(北本町4)を起点に、5グループに分かれてまち歩きを楽しんだ。
そのうちのCコースでは、NPO法人「ボランティアガイド きたまえ三国」(北本町4)の松代朱美さんが同町の歴史や文化などを紹介。参加者は、北前船の寄港地として栄えた話などに耳を傾けながら、江戸時代に活躍した俳人・哥川(かせん)の菩提(ぼだい)寺である永正寺や、同町ゆかりの作家・高見順の生家跡などを巡った。
同コースには同団体加盟店での「つまみ食いタイム」もあり、「料理茶屋 魚志楼」「御肉処 いちしま」「和菓子処 大和甘林堂」で地元の味覚に舌鼓を打った。「料理茶屋 魚志楼」では地元産甘エビを使った天丼が提供され、参加者からは「天ぷらを閉じた卵がふんわりしている」「魚介のうま味が利いたダシがおいしい」などの感想が聞かれた。
一行は約1時間30分のまち歩きの後、九頭竜(くずりゅう)川河口、東尋坊、雄島などを巡る「東尋坊観光遊覧船クルーズ」に乗船。まちづくり会社「三國會所(みくにかいしょ)」(北本町4)理事長・大和久米登さんのガイドとともに、夕日に照らされる海岸線の風景を楽しんだ。
石川県能美市から参加したという40代女性は「三国には以前にも来たことがあったが、ゆっくりとまち歩きしたのは初めて。北前船で財を成した豪商の資金力に驚いたが、そのお金が教育や芸術などに使われるなど、文化水準の高さを知るきっかけになった」と感想を話した。