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福井県立美術館で古代エジプト美術展 併設カフェでエジプト風スイーツも

彩色が隙間なく施された「マミーボード」(右)

彩色が隙間なく施された「マミーボード」(右)

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 福井県立美術館(福井市文京3、TEL 0776-25-0452)で現在、「古代エジプト美術の世界展」が開かれている。

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 日本初公開となる、紀元前3000年~同30年の資料約150点を展示。原始王朝時代から古代エジプト文明滅亡時のプトレマイオス王朝時代まで、古代エジプトの全時代を網羅した資料はガンドゥール美術財団(スイス)の所蔵品という。同館学芸員の西村直樹さんは「アートコレクターの審美眼にもかなった、美術品として価値の高い資料がそろった」と話す。

 今年4月、北海道旭川市を皮切りに日本での巡回展示が始まった同展。西日本での展示は同館のみで、この後、渋谷区立松涛美術館(東京都渋谷区)、群馬県立館林美術館(群馬県館林市)での開催を予定する。

 展示の目玉は、木棺の「マミーボード」(=ミイラにかぶせられた木製のふた)や「ホルエムアケトの人型の棺(ひつぎ)」。西村さんは「目の周りに施されたアイラインなど、前時代に発展したファッショナブルなトレンドを継承している。造形やデザインは、資料的価値だけでなく美術的に見ても素晴らしい」と話し、「2点の製作時期は、ツタンカーメンやラムセス2世などが活躍したとされる新王国時代の後の第3中間期に当たる」と解説する。

 西村さんによると、「展示品はどれも、死者が来世で復活するという古代エジプト独特の死生観を表している」という。「実際の暮らしは古代エジプト人も現代人とさほど変わらなかったのでは。家族や仲間がいて、働いてビールを飲んで二日酔いで仕事を休むこともあった。文字の読み書きができない人も必死で愛のポエムを書こうとした。ヒエログリフにそれらの記録が残っている」

 毎日10時30分から行う、学芸員による「展示の見どころ解説」も好評という。西村さんは「生活に直接必要のないことも楽しんだのが、古代エジプトの洗練された文化につながったのでは」と話し、「監視員さんによると、5回も来ているリピーターがいるほど。古代エジプト人の感性を、ぜひ実際に見て味わってもらえれば」と呼び掛ける。

 同展にちなみ、同館併設の「美術館喫茶室ニホ」(TEL 0776-43-0310)では、エジプト風スパイスをふんだんに使ったという「らくだパフェセット」(800円)を提供。同店では8月22日17時から、「トークサロン 展覧会ができるまで」を予定しており、参加申し込みを受け付けている。参加無料(ドリンク代別途)。

 開館時間は9時~17時。観覧料は、一般=1,400円、高校生・大学生=1,000円、小中学生=700円。今月30日まで。

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