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福井・敦賀の商店街のオリジナルだしパック 近隣飲食店への広がり見せる

商品を手にする西島さん。「神楽べっぴん会のインスタグラムでオリジナルレシピも発信する予定」と話す

商品を手にする西島さん。「神楽べっぴん会のインスタグラムでオリジナルレシピも発信する予定」と話す

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 敦賀市の神楽町1丁目商店街が作ったオリジナルだしが現在、近隣の飲食店などへ広がっている。

11月下旬、ジビエ専門店「山と太陽」で行われたシカ肉鍋振る舞いの様子

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 商品名は「べっぴんだし」で、同商店街の女性15人でつくる「神楽べっぴん会」が開発。昨秋からプロジェクトを進め、今年3月のお披露目を経て、7月上旬、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」敦賀港寄港に合わせ販売を始めた。

 同会副会長でプロジェクトリーダーの西島由佳里さんによると、市内にある気比神宮から同商店街を東西に貫く市道2号線(通称「神楽通り」)の歩道拡幅整備事業が念頭にあったという。

 西島さんは「神楽通りには老舗の昆布店があり、メンバーも皆、地元の昆布だしで育ってきた。来春の歩道拡幅完了に向け、北海道から昆布を運んできた北前船の歴史や、敦賀に伝わるだしの文化などを観光客に発信できるようなコミュニケーションツールがあればと考えた」と振り返る。

 商品はだしパック仕様で、素材として、昆布、シイタケ、さば節、ミカン皮粉末を使った。西島さんは「昆布の香りを基調に、シイタケのうまみとさば節の風味が広がる味わいに調えた。だしを取った後の中身も食材として活用できるので、そのまま食べるのも一つの楽しみ方」と勧める。

 西島さんによると、「味のアクセントに」と考えたミカン皮をだしパックに取り入れることに苦労したという。「ミカン皮を扱えるだしパック製造業者を探すのが大変だった。商店街にある昆布店の協力も得ながら粉末の乾燥具合や粒度を調整し、食品安全基準をクリアした商品に仕上げた」と西島さん。

 土産物としての販売の一方、近隣の飲食店での採用も進む。洋食店「和伊和伊亭」(神楽町1)は同商品を取り入れたパスタ「べっぴんチーノ」を、和食店「魚心海心 なかむらや」(同)は同商品を使ったウエルカムだしを、今秋からそれぞれ提供。フランス料理店「ラ クラルテ カグラ」(同)や、カフェ「メロウ ティーハウス」(本町2)も同商品を使った新メニューを試作中という。

 11月29日・30日には、ジビエ専門店「山と太陽」(相生町)オープン記念イベントで、同商品を使ったシカ肉鍋の振る舞いがあった。店主の坂本雅利さんは「ジビエは一般的に濃い味付けで調理するが、シカ肉の繊細なおいしさを感じてもらおうと『べっぴんだし』を取り入れた。来店客にも、べっぴんだしが食材のうまみの引き立て役になることを感じてもらえた」と話す。

 週末を中心に商品の試飲も展開する。実施店は、天清酒万寿店、増井弘海堂、ビューティーしまだ(以上、神楽町1)など。

 9グラムパック10個入り。価格は1,500円。

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