
展覧会「滲(にじ)む線のゆらぎが奏でる」が9月19日、福井市のカフェ「毛矢珈琲(コーヒー)」(毛矢3)で始まる。
福井県在住の彫刻家・八杉公代さんによる個展。同店1階を会場に、水彩の平面作品や、テラコッタによる立体作品など約30点を展示する。
作品のモチーフは、人間の表情や、野生のウサギ、想像上の動物であるユニコーンなど。水彩画は八杉さんが「さっと取りかかれるので、描かない日がないほど」というライフワーク的な作品群で、生き物が見せる脈動などのかすかな揺らぎや、光と影の間にある気配などを、1点5分程度というスピードで描き出しているという。
「動物のまなざし、りりしさ、野性味あふれる肉体美などに引かれて制作に取り組んでいる。人物をテーマにした作品がたいてい、首をかしげた表情で仕上がっているのも特徴。意図的にやっているわけではなく、私の深層心理が作品にも現れているのかも」と八杉さん。
同店での展覧会は昨年の2人展に次いで2回目。八杉さんは「昨年、カフェの客として初めて訪れた時、家具や本棚の一つ一つが長い物語を語りかけるような印象を受けた。そんな空間に自分の作品を展示できることは、まるでユニコーンに出合うようなかけがえのない出来事。コーヒーの香りに包まれながら、絵と音が重なり合う揺らぎの時間を過ごしてもらえたら」と話す。
開催時間は11時~18時(金曜~日曜は20時まで)。入場無料(ワンドリンク制)。9月24日まで。