福井市中央公園(福井市大手3)で6月6日、ゲームイベント「Ingress First Saturday in Fukui」が開かれる。
「イングレスパワーキューブ」など成績上位者に贈られる予定の賞品
「Ingress(イングレス)」はモバイル端末のGPS機能を使った陣取りゲームアプリで、グーグルの社内スタートアップが開発。プレーヤーは「青」「緑」いずれかの陣営に属し、世界各地の「ポータル(=目標地点)」を巡ったりつないだりして自陣を広げる。ポータルには実在の施設や史跡などが割り当てられ、自陣拡大にはモバイル端末を持ち現地に足を運ぶ必要がある。
同イベントは毎月第1土曜、同ゲームの愛好者が世界規模で同時開催する「ファーストサタデー」の一環。福井市在住の美濃部聡良さんが福井開催を呼び掛け、今月5日、スタッフ8人で実行委員会を立ち上げたという。「スタッフの段取りが良く、3日ほどで準備が終わってしまった。昨年秋ごろから『ファーストサタデー』が始まり、福井開催をみんな心待ちにしていたのだと思う」
参加者は当日、モバイル端末を持って同公園に集合。両陣営のプレーヤーが交流する「ミートアップ」や、福井市中心エリアを巡り初心者のレベルアップを促す「ブートキャンプ」などを行う。成績上位者には、大容量モバイルバッテリーや両陣営のロゴをあしらった特製タグなどの賞品を用意。参加賞として特製缶バッジも。
美濃部さんによると、同エリアには500メートル四方に約100個のポータルがあり東京23区内に肩を並べる密度という。「実在の場所のポータル化にはグーグルへの申請が必要で、現在は承認待ちまで半年はかかる。サービス開始当初に地元ユーザーが熱心に申請してくれたことが、大都市並みの密度につながっている」
スタッフで鯖江市在住の福嶋祐子さんは「昨年夏のiOS版発表をきっかけに始めた。通勤ルートの脇でポータルを見つけるなど寄り道の楽しみが増え、未知の場所に行く機会も多くなった。イングレスを始めてから神社仏閣に詳しくなったかも」と笑顔を見せる。「普段は1人で遊ぶゲームなので、ユーザーとの交流やチーム戦を楽しめるのがイベントの魅力」とも。
「現地に足を運ぶ必要がある」同ゲームの特徴から、神奈川県横須賀市や岩手県などで観光振興に生かす取り組みも始まっている。ゲームレベル16という美濃部さんは「iOS版発表やアプリの日本語化などプレー環境は整い、ユーザー側がコミュニティーを盛り上げる段階に入った」と強調。福嶋さんは「両陣営の色にちなんだドリンク販売など、一緒にイベントを楽しんでくれそうな店舗の協力も得たい。イングレスが人をリアルに動かすきっかけとなれば」と呼び掛ける。
10時開始。参加無料。現在、ホームページで参加を受け付けている。