越前市の「越前和紙の里美術館」(新在家町)で現在、写真展「連想」が行われている。
越前和紙の里美術館。12月には、姉妹館の「越前ふくい美術館」(福井市大手2)での写真展も予定する
福井市在住のフォトグラファー「ホールデン.」さんによる展覧会。越前市今立地区など福井県内各地でロケ撮影した、風景に人を配した写真15点を同館2階の第3展示室に並べる。福井での個展開催は、昨秋、金津創作の森美術館に次いで通算11回目。
会場に並ぶ作品は、満開の桜、夏の波打ち際や花火大会、ススキが揺れる秋の野原などで撮影が行われた。ホールデン.さんによると「浮世絵、特に美人画の美しさの影響を受けている」といい、撮影時も被写体の機微を捉えられるように意識を払ってシャッターを切ったという。
越前和紙と縁のある会場で展覧会を開くに当たり、新作を含む作品の一部を「局紙」と呼ばれる越前和紙にインクジェットプリントした。光沢紙へのプリントに比べ写真の深みがより強調された仕上がりとなり、「印象派の絵画が好き」というホールデン.さんにとっても満足のいく出来栄えになったという。
展示作品のモノクロポートレート「小説」は、今秋、パリのギャラリーでの展示も決まっている。ホールデン.さんは「『風景と人』をテーマにした一連の作品のきっかけとなった今立地区で、再び展示できたことがうれしい」と笑顔を見せる。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで、最終日は16時まで)。入場料は600円。8月31日まで。