福井を拠点に活動するコントユニット「タスサン」が現在、今秋に上演する舞台の準備を進めている。
今年1月、福井市内で行われたクラブイベントに出演した時の一こま
舞台のタイトルは「メトロなコント」。1953(昭和28)年開館の映画館「メトロ劇場」(福井市順化1)を会場に、オムニバス形式の新作コント、映像クリエーターの協力を得て制作する幕間のショートムービー、福井ゆかりのアーティストによるライブなどを展開する。
タスサンは昨年2月、福井県主催の仮想大学「エキセントリック・カレッジふくい」を機に発足したユニット。同大学で意気投合したという「カサマツ」さんと、もりゆかさんの2人に、カサマツさんの友人である「Riku」さんが加わり、県内外での公演など活動を行っている。
東京都内の芸術系大学を卒業したカサマツさんにとって、同館は多くの映像文化に触れた思い入れある場所。ユニット旗揚げ時から同館での上演を目標としていたという。「映画を見に来るたび同年代の若年層の姿をあまり見かけないことが残念で、このままだと福井の芸術文化が廃れてしまうのではと感じていた」と振り返る。
演劇と触れ合う機会が少ない若年層との接点になればと、クラブイベントなどへの出演依頼にも応じた。大音量の音楽があふれるクラブで、DJの流れを一時中断してのコントタイム。「完全なアウェー戦」(カサマツさん)という環境で、30分間、来場者がコントに見入ってくれたことにメンバー全員が感激したという。
脚本と演出を手がけるカサマツさんは「今回の公演を通して、演劇部など文化系の部活動の格好良さを伝えることができたら」とも。元アイドルという経歴を持つもりさんも「アイドル文化には『推し』の成長の過程を応援するという一面もある。公演を見たことをきっかけに、芸能の世界に挑戦してみようという人が現れたらうれしい」と笑顔を見せる。
9月14日の上演に向け、クラウドファンディングで運営費の支援も募る。目標金額は80万円で、支援コースは6,000円~10万円の9通り。返礼品はチケットとのセットで、限定キーホルダー、脚本、カサマツさんによるインテリアアート、打ち上げ参加権、指定会場への出張公演などを用意した。7月下旬まで。
「タスサンの集大成的イベントと掲げてはいるが、活動をこれで終えるつもりはない。成長過程の中間報告として捉えてもらえれば」とカサマツさん。シンガー・ソングライターとしても活動するRikuさんは「これまでの福井になかったようなエンタメをつくり、芸術文化の底上げと広がりにつなげていきたい」と意気込む。
開演時間は、13時、19時。料金は、一般=3,000円、学生2,500円。インスタグラムで予約を受け付ける。