食べる 買う

福井の地酒「越前岬」がグランプリ 全米日本酒歓評会大吟醸部門で

商品を手にする田邊さん。今年の歓評会では「越前岬 大吟醸 “吟の雫”」も大吟醸A(精米歩合40%以下)で金賞を受賞した

商品を手にする田邊さん。今年の歓評会では「越前岬 大吟醸 “吟の雫”」も大吟醸A(精米歩合40%以下)で金賞を受賞した

  • 39

  •  

 永平寺町の蔵元「田辺酒造」(永平寺町松岡芝原2)が醸造する日本酒が、8月下旬に米ホノルルで開かれた「全米日本酒歓評会2023」でグランプリを受賞した。

1899(明治32)年創業の同社外観

[広告]

 日系米国人らでつくる主催者の「U.S. National Sake Appraisal」によると、歓評会は2001(平成13)年に発足し、国外では最も歴史あるという日本酒品評会。2023年度は全国198の蔵元が4部門計578点を出品し、同社の「越前岬 大吟醸」が大吟醸B(精米歩合50%以下)部門で、同部門金賞の頂点であるグランプリを受賞した。

 同社が「看板大吟醸」と位置付ける同商品は、「米本来のうまみを上品に楽しめるふくよかな味わい」が特徴だという。酒米には兵庫県産の酒米「山田錦」を、酵母には福井県食品加工所が2008(平成20)年度に開発した「FK-501」を、それぞれ使い、「控え目な吟醸の香りと柔らかな口当たりを実現している」とも。

 専務の田邊啓朗さんによると、同歓評会へ出品を始めたのは2012(平成24)年。「日本酒の海外輸出はアメリカを中心に伸びているが、小さな蔵元がアピールできる機会はなかなかない。バイヤーとの商談の糸口になればと出品するようになった」と振り返る。

 初出品から年を経るごとに、金賞、準グランプリと着実に受賞歴を積み重ねてきた。田邊さんの次の目標は、福井県農業試験場が福井県酒造組合などと共に開発した大吟醸酒向け県産米「さかほまれ」を使った、「オール福井」産の日本酒でグランプリを獲得することという。

 「12月から1月にかけ土壁で囲まれた蔵の中で酒を仕込む『寒仕込み』や、もろみを一つずつ手で積んでいく『槽搾り(ふねしぼり)』が当社の酒造りのスタイル。各地の蔵元が酒造技術の向上にしのぎを削る中、福井の風土に根差した手仕事の酒造りで頂点を目指す」と、田邊さんは表情を引き締める。

 価格は、720ミリリットル入り=3,300円、1.8リットル入り=5,500円。店頭とウェブサイトで販売する。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース