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福井・あわらで美術展 写真家西野壮平さん、旅の記憶をコラージュ数万枚で

新作「北陸道」をバックに、「短時間で急激に変わる冬の福井の天気に驚いた」と撮影を振り返る西野さん

新作「北陸道」をバックに、「短時間で急激に変わる冬の福井の天気に驚いた」と撮影を振り返る西野さん

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 福井県あわら市の「金津創作の森美術館」(あわら市宮谷)で1月28日、企画展「アートドキュメント2022 西野壮平 写真展 Walk With Me(ウオーク・ウィズ・ミー)」が始まった。

作品を解説する西野さん。長さ約13メートルの「東海道」(手前)など、大型作品が会場に並ぶ

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 兵庫県西宮市出身の写真家で、サンフランシスコ近代美術館など国内外で展覧会を行う西野壮平さんの展覧会。世界中の都市を歩いて撮影したモノクロフィルム写真数万枚をコラージュし地図状に仕上げた「Diorama Map(ジオラママップ)」シリーズなど、新作を含む21作品を展示する。

 館内の展示室などを5つのゾーンに分け、2003年から現在までに制作した作品群や制作中の記録動画などを展開。東海道を歩いて撮った写真を基に制作した「東海道」、知床半島の流氷をテーマにしたインスタレーション「A Journey of Drifting ice(ア・ジャーニー・オブ・ドリフティング・アイス)」、大和絵の表現技法に着想を得たという「Mountain Line Mt.Fuji(マウンテン・ライン・マウント・フジ)」などが並ぶ。

 2024年春予定の北陸新幹線福井・敦賀開業にちなみ、福井県内で撮影した写真を基にした新作「北陸道」も展示する。西野さんは制作に当たり、昨年2月から5月にかけ、福井県内の観光名所、風景、祭事、人々の表情などを撮影して写真をコラージュ。越前和紙にプリントし、高さ約3メートル、幅約1.2メートルの作品に仕上げた。

 自身の創作活動の足跡や、作品の合間を歩いて巡る展覧会鑑賞の楽しみなどをタイトルに込めた。西野さんは「旅のプロセスを見せるような意図で作品を制作している。交通手段が発達した現代は点から点への移動が日常的。展示作品を間近で見たり遠目で見たりしながら、移動の道中に目を向けることの楽しさを体で感じてもらえれば」と話す。

 関連イベントとして、西野さんによる作品解説(28日・29日、各日11時~)、西野さんと同館館長で写真家の土田ヒロミさんとの対談(28日14時~)、西野さんと写真家の石川直樹さんによる対談(2月12日14時~)などを行う。

 会場内は撮影可能で、同館はハッシュタグ(検索目印)「#西野壮平」「#ジオラママップ」「#金津創作の森」などを付けたSNS投稿を呼びかける。

 開館時間は10時~17時(入館は30分前まで)。料金は、一般600円、高校生以下無料。月曜休館。3月5日まで。

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