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学生サークル、メタバースで写真展 福井・仁愛女子短大生、初めての試み

取材はメタバースの展示会場で行った

取材はメタバースの展示会場で行った

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 仁愛女子短大(福井市天池町)の学生サークルが現在、メタバース空間で展覧会を開いている。

同短大付属図書館での展示。企画を持ちかけたところ「図書館の来訪者増につながる」と快諾を得たという

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 展覧会を行うのは、生活科学学科1年生で学内の写真サークルに所属する3人。「他人(ひと)が見る世界、見たくないですか?」をテーマに、同短大付属図書館とメタバースでの「ハイブリッド開催」で展開する。

 サークルは2015(平成27)年に発足し、活動の一環として福井駅前でのイベントなど一般を対象にした展覧会も行ってきた。しかしコロナ禍で活動に制約が課せられたり、まちなかでのイベントが縮小されたりして、新規入部者もなく活動が停滞していたという。

 停滞状況に風穴を開けたのが、入学時のガイダンスで写真サークルを知ったという1年生だった。本格的にカメラを構える経験は少なかったものの、同学科教授でサークル顧問の澤崎敏文さんの下に集い、写真展やアルバム制作などのプランを膨らませていった。

 撮りためた写真を選び抜き、12月初めから写真展の準備を進めた。当初は学内での開催だけを予定していたが、学生の頑張りに刺激を受けた澤崎さんがメタバースでの開催を思い立った。自身の担当科目でメタバースを使ったプレゼンテーションなどを取り入れていたことも、ハイブリッド開催の後押しになったという。

 会場設営に当たっては、NTTコノキュー(東京都千代田区)が展開するプラットフォーム「DOOR(ドア)」を利用した。「ギャラリーなど豊富なテンプレートが特長で、2日くらいで会場の準備が整った。感染拡大防止の観点からまだまだ学内イベントを広く一般開放できる状況ではなく、メタバースでの展覧会に可能性を感じる」と澤崎さん。

 指定のURLにアクセスすればユーザー登録なしに会場内を自由に巡ることができる。部員の加藤ひかるさんは「展覧会を機に初めてメタバースに入った。いい空間ができていてびっくり」、黒田亜澄香さんは「会場に次々と作品を加えていけるという点に驚いた。自分でも何か空間作りに取り組むことができれば」とそれぞれ話す。

 サークルは今後、実空間とメタバースの二本立てで活動を展開する予定で、近隣の駅での写真展、アルバム制作、インスタグラム(@jintan_picture)での作品発表、メタバースでのトークイベントなどのプランを練っているという。

 メタバースでの展示は3月31日まで。

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