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米楽器大手、福井・丸岡南中に楽器寄贈 周年事業の一環、アーティストの特別授業も

楽器を手にする新垣さん(左)と、葛西さん(右)。新垣さんは「楽器に触れたその日からあなたはプレーヤー」と激励した

楽器を手にする新垣さん(左)と、葛西さん(右)。新垣さんは「楽器に触れたその日からあなたはプレーヤー」と激励した

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 米国の大手楽器メーカー「フェンダー」の国内販社が11月18日、坂井市の丸岡南中学校(坂井市丸岡町)に楽器を寄贈した。

寄贈に合わせ、体育館で行われた特別授業の様子。Reiさん(左)、ハマ・オカモトさん(右)がゲストとして登壇した

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 米国の大手楽器メーカー「フェンダー」社の創設75年を記念し、フェンダーミュージック(東京都渋谷区)が展開するプロジェクト「フェンダー 75th チャリティー・プロジェクト・ウィ・ラブ・ミュージック(Fender 75th Charity Project - We Love Music) スクールイベント」の一環。全国の国公立小中高を対象に音楽教育の質的向上をサポートすることを目的に発足し、音楽教育のための助成、演奏機材の寄贈、プロミュージシャンによるレッスンなどの事業を行う。

 昨年12月上旬から今年2月末にかけてエントリーを受け付け、数十校の応募の中から「音楽教育に対する熱い思いを送ってくれた」(同社)という同校と県外の1校を選出。贈呈式とプロのミュージシャンを招いた特別授業などを行った。

 贈呈式では、「ストラトキャスター」「ジャズベース」などのギターとベース合わせて10台とアンプやアクセサリーなど150万円相当の演奏機材に添え、助成金を同校に寄贈。黒川光憲校長、生徒代表の葛西咲名さん(2年生)、同社アジアマーケティングディレクターの新垣律子さんらが出席し、新垣さんが黒川校長に目録を渡した。

 吹奏楽部でチューバを担当する葛西さんは寄贈されたストラトキャスターを手に、「エレキギターを持つのは初めてで想像していたより重いという印象。弾きこなすのは難しいかもしれないが、ヒゲダン(=Official髭男dism)の曲が弾けるようになれれば」と笑顔を見せた。

 音楽担当の甲斐仁望教諭によると、同校では生徒全員が音楽の授業でギター演奏に取り組むという。「コロナ禍のさなかに着任し、声を出さない学習指導を模索し音楽室で眠る27台のアコースティックギターに目が留まった。大半の学校でリコーダー演奏が取り入れられる中、当校の取り組みは福井県内でも異例では」と話す。

 贈呈式後に体育館で音楽の特別授業があり、ロックバンド「OKAMOTO'S」ベーシストのハマ・オカモトさん、シンガー・ソングライターでギタリストの「Rei」さんがゲストとして登壇。2人によるトークセッションや、生徒有志によるバンド演奏などに生徒約300人が耳を傾けた。

 中学時代にベースを始めたというハマさんは「楽器を弾けるようになったことが自分の長所の発見につながった。丸岡南中が選出されたのは生徒にとっていいきっかけで、興味があれば、まずは触れてみることから始めては」と助言した。

 バンド演奏には2組が臨み、練習期間1カ月で舞台に立ったということに2人が感心する場面も。両バンドでギターやドラムを担当した中瀬心那さん(2年生)は「プロの前での演奏は緊張もしたが楽しい時間だった。丸岡南中が選ばれたことも私がメンバーになれたことも奇跡で、心の宝物にしたい」と目を輝かせた。

 4歳でギターを始めたReiさんは帰国生だったという自身の経歴を引き合いに、「私にとって音楽は、日本語、英語に次ぐ第3の言語。しかも音楽は、人種、言語、年齢などの境を超える素晴らしさを持つ。才能は育てて手に入れるもので、最初から『音楽の才能がないから』とあきらめることなくチャレンジして」と呼びかけた。

 黒川校長は「コロナ禍で生徒が『本物』に触れる機会が失われつつあることを憂慮し募集に応じた」と振り返り、今後、生徒が気軽に寄贈品を楽しむことができる環境づくりを進めていくという。

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