福井県鯖江市の企業が手がける野菜宅配サービス「ロスヘル」が、ユーザー数を伸ばしている。
「ロスヘル」の詰め合わせ例。現在、月2回の発送日を設けている
サイズ不ぞろいや傷などの理由で、一般的なスーパーマーケットなどに並ばない野菜を農家から引き受けて販売する同サービス。手紙代筆サービス事業などを手がける「エクネス」(上河端町)がフードロスの削減につなげようと、今年5月、約1年の準備期間をかけてスタートした。
農林水産省によると、スーパーマーケットなど小売店での売れ残り、規格外品などの「事業系ロス」、家庭での食べ残しなどの「家庭系ロス」、合わせて年間612万トンのフードロスが国内で発生しているという。
社長の平井康之さんは「世界的にもフードロスによる廃棄物は焼却処分されており、地球全体で発生する温室効果ガスの10%ほどを占めると言われる。当社だけで解決する問題ではないが、だれかが規格外品の引き受けに取り組まねばという思いで、北海道から鹿児島まで1年かけて農家を訪ね歩いた」と振り返る。
野菜は段ボール箱に詰め合わせ、S=1,836円、M=2,916円、L=4,860円(いずれも送料別)の3サイズで販売する。「農家から仕入れる野菜の種類や量は『自然任せ』で、詰め合わせの中身もその都度変わる。福袋のように中身を楽しんでもらえれば」と平井さん。これまでに全国の約400ユーザーが利用し、規格外の野菜や果物で作ったスイーツを販売する利用者もいるという。
2018(平成30)年設立で、「社会貢献性の高い1,000億円企業」の目標に向け事業を展開する同社。10月1日・2日には、鯖江市東公園(東鯖江3)など市内2会場で行われる「めがねのまちさばえSDGsフェス」にも出店する。イベントでは「ロスヘル」商品販売、「フードロスゼロなまちさばえの実現に向けて」と題した平井さんのトーク(1日13時15分~)などを行う。
イベント開催時間は10時~16時(2日は15時まで)。入場無料。