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音響機器メーカーのアウトドア向け新商品 福井のものづくり技術が下支え

第2弾商品として販売が始まった「COOKING SHELTER」。ピザ焼き、燻製(くんせい)調理などもできる

第2弾商品として販売が始まった「COOKING SHELTER」。ピザ焼き、燻製(くんせい)調理などもできる

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 「オーディオテクニカフクイ」(越前市戸谷町)が開発、生産するアウトドアブランド「AUTEC CAMP(オーテックキャンプ)」第2弾商品の販売が8月10日、始まった。

第1弾商品のコーヒードリッパーセット「DRIPRO(ドリプロ)」の使用イメージ

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 音響機器メーカー「オーディオテクニカ」(東京都町田市)が今年6月、「機能性・収納性・耐久性を追求した美しいアウトドアブランド」を掲げ、第1弾商品3種で発足した同ブランド。同社特機部の廣水樹さんは「音を通しての感動体験を届ける商品を送り出してきた当社が、アウトドアでのさまざまな体験による豊かなライフスタイルを応援したいとプロジェクトを始めた」と話す。

 第2弾商品は、じか火マルチオーブン「COOKING SHELTER(クッキングシェルター)」と、たき火台、チャコールスターター、ウインドガードの一台三役を備える「THREE FACE(スリーフェース)」の2種。アイテムの開発や生産を、関連会社でレコードカートリッジやマイクなど同社商品の製造を手がけるオーディオテクニカフクイが行う。

 「クッキングシェルター」は、第1弾商品「TRY AND GRILL(トライアングリル)」と組み合わせて使えるアイテムで、炭の配置パターンによる火力調整を可能とする。「スリーフェース」は煙突効果による高い燃焼効率が得られる商品で、まきを縦方向にくべることができる特長も持つ。どちらも、素材には腐食や熱変形に強いとされるステンレス鋼を用い、A4サイズに折り畳んで保管できるよう収納性にも配慮した。

 廣さんは「プロジェクトはごく少数の社員で発足し、直後に同じ志や視野を持つ福井のメンバーが加わってくれた。福井のメンバーのものづくりの精神や熱意がプロジェクト拡大の後押しとなった」と振り返る。オーディオテクニカフクイ技術部の渡邉大輔さんも「(オーテックキャンプのような)製造と販売の一体体制はグループ内であまり例がなく、大きな一歩を踏み出せたのでは」と話す。

 開発に当たっては、マーケティングデータを頼りにした「売れ線」や価格帯を狙わず、「自信を持って自分たちが誇りに思える仕事を届けられるように」(廣さん)機能美と品質を追求。渡邉さんによると、収納性や耐久性を併せ持ったアイテムとなるよう、音響機器の設計同様、素材選定、デザイン、品質評価、耐久性評価などを繰り返したという。

 両社は、同ブランドを日本のアウトドアシーンの一端を担える存在に育てるという目標を掲げ、イベント出店や実店舗への販売強化などの展開を視野に入れる。廣さんは「一過性のブームに乗るのでなく、良質な製品開発に投資して長く愛されるブランドを目指す。実際に商品を手に取った人たちの実直な感想を受け止め、ブランドの成長につなげられれば」とプランを描く。

 価格は、クッキングシェルター=1万8,000円、スリーフェース=1万6,300円(いずれも税別)。アウトドア用品店「THE GATE」(福井市定正町)、「PLUS YU」(東京都立川市)、楽天やアマゾンの同ブランドストアで販売する。

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