福井市立郷土歴史博物館(福井市宝永3、TEL 0776-21-0489)で10月13日夜、「福井の仏像 -白山を仰ぐ人々と仏たち-」展のブロガー向け内覧会が行われた。
寺院での散華(さんげ)から着想を得たという同展の告知カード。割引券を兼ねている
14日から始まる同展に合わせたイベントで、同展の感想を書いた記事をブログやSNSなどで発信してもらおうと同館が企画した。4日から福井市や同館のホームページ、ツイッター、フェイスブックなどで告知を行い、仏像や旅行などに関心を持つという22人が県内外から集まった。
泰澄大師(たいちょうだいし)が白山を開山したとされる717年から数え、来年で1300年となるのを記念し開かれる同展。福井県嶺北地方にある平安時代前期から鎌倉時代までの仏像34体を展示し、福井における仏教信仰の歴史を紹介する。同地方にある平安時代以前の仏像の多くは普段、神社やお堂などに安置されていることから、同展のような企画は極めて珍しいという。
同日19時30分に始まった同イベントでは、企画担当の藤川明宏学芸員がヘッドセットを着け、約1時間かけ展示作品の見どころを紹介した。仏像の由来や造形の解説はもとより「搬出時に一番大変だったのは40本の手が張り出している千手観音像だった」などの裏話なども飛び出し、参加者は熱心にメモを取りながら思い思いに撮影を楽しんだ。
参加者の一人で、福井市内の呉服店主・酒井康輔さんは「友人のフェイスブックの投稿でイベントを知り参加した。最近仏教に興味を持ち始めていたところで、ブログをやっていて良かった。福井の仏像を見るのは初めてで、千手観音像の細かい技巧をじっくり観察したり内覧会の様子を撮影できたりした」と振り返った。
藤川学芸員によると、福井市がブロガー向けイベントを行うのは初めてという。「都市部の博物館で同様のイベントがすでに盛り上がっており、当館でも行いたいと以前から考えていた。東京国立博物館の『平安の秘仏』展を見た帰りにそのまま寄ってくださった参加者もいて、反響の大きさを実感している。これからどんな記事がアップされていくのか楽しみ」と、臨場感あふれるリポートに期待を寄せる。
開館時間は9時~19時(11月6日からは17時まで)。会期中無休。入館料は、一般=600円、高校生・大学生=500円、中学生以下無料。11月23日まで。