
福井市のカーテンメーカー「カズマ」(八重巻町)が5月20日、パイナップル由来のカーテン「KICCA(キッカ)」の販売を始めた。
パイナップル産地のバングラデシュで。再生繊維の活用は、葉の焼却時に発生する二酸化炭素やメタンなどの抑制にもつながるという
カーテンや布雑貨などを扱う自社ブランド「KURASIKU(クラシク)」の新商品で、ドイツのスタートアップ企業「リルートテックス・ソリューション」と連携。ドイツ企業が開発した再生パイナップル葉繊維を使い、生地製造や縫製などを日本国内で行って商品化した。
サイズは、幅150センチ、丈120~240センチの7種で、つなげるパーツの結び方により丈を調整できる仕様とした。プラスチックフックの代わりに革ひもを通してつるす構造で、ひだやタッセルなどを省くことで廃棄生地の抑制も狙った。
開発担当者の野路由実さんによると、2022年の世界のパイナップル生産量は2960万トン。一方で、収穫の時に廃棄されたり焼却されたりするパイナップル葉は年間1億トンにも上るという。
「パイナップル由来の再生繊維は近年、パイナップルレザーに加工されるなど革製品としても流通しているが、超短繊維のため織物への活用が困難だった。そのような状況下で、リルートテックス・ソリューション社がこの素材を織物にできるパートナーを探しているという話を耳にし、共同開発の話がまとまった」と野路さん。
超短繊維であることから、パイナップル繊維50%、綿50%でカーテン生地を製造した。野路さんは「再生繊維本来の強度、通気性、抗菌性などの長所が損なわれる懸念もあったが、外部機関による検査の結果、天然素材としてよく使われる和紙100%のテキスタイルを上回る数値もあって驚いた」と話す。
同社は商品の利用シーンとして、キッチン横ファミリークローゼット、シューズクローク、ランドリールームなどを提案する。8月8日まで、応援購入サイト「Makuake」で先行販売した後、自社ネットショップでの展開を予定する。
価格は1万5,840円~(付属品込み)。