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福井の短大生3人が電子書籍 ゼミ活動の一環、二十歳の目線で地域の魅力発掘

「福井の魅力探究」ペーパーバック版を手にする執筆メンバー。左から、山崎さん、牧田さん、増田さん

「福井の魅力探究」ペーパーバック版を手にする執筆メンバー。左から、山崎さん、牧田さん、増田さん

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 仁愛女子短大(福井市天池町)の学生が2月下旬、1年間のゼミ活動をまとめた電子書籍を出版した。

活動中の一こま。福井大(文京3)との共同授業の様子

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 タイトルは「福井の魅力探究」で、同短大生活科学学科2年の牧田朱莉さん、増田朔乃さん、山崎真由さんが共同執筆。同学科の澤崎敏文教授のゼミに所属し福井の魅力を掘り起こした活動を1冊にまとめた。

 5章立ての構成で、「福井の探究活動」「福井大学との共同授業」「東京研修」「サークル活動」などの章タイトルを付けて展開。「福井の探究活動」では、3人のラジオパーソナリティー体験や、地元企業や農業関係者などへの取材の様子をつづった。

 「ふるさと納税や奨学金返還支援制度など、これまで詳しく分かっていなかった行政機関の取り組みを知ることができた」と増田さん。牧田さんは「地域の人たちとの交流を通して、福井にいる素晴らしい人たちを知ることができ、人の温かさを感じることができた」と振り返る。

 東京研修の章では、福井・敦賀開業から間もない北陸新幹線で上京し、都内に拠点を置く福井の企業を取材した様子をまとめた。福井のアンテナショップ「ふくい食の國(くに)291」のにぎわいに驚いたという山崎さんは「東京での地元企業の活躍を耳にしても他人事のように思えていた。取材を通して、実際に体験し声を聴くことの大切さを感じた」とつづる。

 電子書籍の制作は昨年11月ごろ、「1年間の活動を形に残したい」という3人の思いからスタート。章ごとに執筆を分担し、エピソードの時間的な並びや固有名詞の確認など相互に内容を照らし合わせて作業を進めた。牧田さんは「電子書籍を基にしたペーパーバック版の計画もあり、文章量も考慮しながら書き進めた。記録写真を見返すことで、記憶を思い出しながら原稿が書けた」と話す。

 「福井は自然豊かな地域である半面、私たちのような世代が遊べる場所が少ない印象もあった」と振り返る増田さん。「ゼミ活動を通じて地元に対する愛着がさらに湧いた。卒業後は金融機関への就職が内定しているので、ゼミ活動で身に付けた視点で取引先企業の魅力を掘り起こしていければ」と目を輝かせる。

 同ゼミが学生の研究成果を電子書籍としてまとめるのは10年ぶり。山崎さんは「短大での2年間の学びや取り組みをまとめた書籍で、一般の人たちにも親近感や何かしらの気付きを持ってもらえるような内容になったと感じる。澤崎先生やチームメンバーのサポートで書き上げることができたので、私たちの学びの集大成を手にしてもらえれば」と呼びかける。

 出版に当たり、「今の時点での彼女たちなりの視点を記録として残すことが、10年後、さらにその先の振り返りの場面で貴重な資料になると考えた」と澤崎教授。高校で展開される「総合的な探究の時間」も引き合いに、「活動成果を電子書籍化すれば校外の人々が生徒の取り組みを知るきっかけにもなる。今回の出版が探究活動の指導に当たる先生たちの参考になれば」と話す。

 価格は、電子書籍版=250円、ペーパーバック版=790円。いずれもアマゾンで販売する。

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