建設業向けCADメーカーの福井コンピュータ株式会社(本社:福井県坂井市、代表者:代表取締役COO 杉田 直)は、革新的な3D表示技術を搭載した3D点群処理システム「TREND-POINT」の最新版を2025年10月21日(火)にリリースいたします。
今回リリースする最新版では、革新的な3D技術「3D Gaussian Splatting」(3DGS)による表示対応に加え、点群と写真の重畳表示、点群の球体表示、さらに出来形ヒートマップのARデータ出力機能を追加します。これにより、建設現場における計画や計測、記録業務の精度と効率性をさらに向上させるとともに、維持管理や災害記録、遺跡調査、文化財などのデジタルアーカイブといった、3D点群データを視覚的に活用できる新たな分野への提案を推進します。
なお、本案内は2025年6月16日に発表した同内容の詳細情報となります。
※:3D空間に配置されたガウス分布を使ってシーンを表現し、それを2D画像として投影してレンダリングする新たな3D再現技術です。

https://www.youtube.com/watch?v=iZ-XHveoxJU
【新機能のポイント】
1. 3DGSによる写実的な3D表現
細部表現に優れ、より実物に近い滑らかな3Dモデル表現が可能で、新たな分野での活用が期待されます。
2. 点群と写真の重畳表示
正確な座標を持つ点群と、視認性の高い写真を重ねた表示に対応し、主にトレース作業を効率化します。
3. 点群の球体表示
点群を球体に置き換えた表示に対応し、拡大時の視認性向上を図ります。
4. 出来形・出来ばえヒートマップのAR出力
令和7年度の3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)に記載されている「デジタル技術(AR等)を用いた出来形立会確認」で活用するAR出力に対応します。
【リリース日】
2025年10月21日(火)
【価格】
標準プログラム:144万円(税別)
3D Gaussian Splatting読込:10万円(税別)
【TREND-POINT Ver.12 新機能】
※オプションプログラム:3D Gaussian Splatting読込が必要
3DGSは、2023年に登場したオープンイノベーション技術で、主にLiDAR SLAMで取得したデータの各点にガウス分布による広がりを持たせ、点群間を滑らかに表示することができる技術です。今回この3DGSデータ(ply/spz/splat)の取り込みに対応し、写実的なモデルを3D空間に再現できる機能を搭載しました。
※3DGSデータはLiDAR SLAM機器やモバイルアプリ等で生成されるものであり、対応機種につきましては各メーカーまたは販売店にお問い合わせください。
3DGSによる表示は、一般的にレーザースキャナー等で取得する点群データよりも密度の低い点群によって生成されますが、非常に写実的なモデル再現に優れております。特に看板等の文字やコンクリートのクラック、微細な凹凸やガラスなどの被写体は、従来の点群に比べ圧倒的に鮮明に再現されるため、これまでの計測用途のほかに、インフラの維持管理調査業務や災害記録、遺跡や文化財などの記録(デジタルアーカイブ)として活用いただけます。

レーザースキャナーやLiDAR SLAMなど、スキャニングと同時に取得するパノラマ写真(E57ファイル等)を取り込み、本製品において点群と写真の重畳表示に対応しました。正確な座標を持つ点群に、細部の視認性が高い写真を重ねて表示することができるため、拡大すると見えづらかった構造物の角や道路の白線、クラックといった部分における、トレースやマーキング作業を効率化し、維持管理業務や調査・点検業務などを支援します。
※3DGSと異なり、LiDAR SLAMなどの機器が通った軌跡上における、任意の位置で撮影された写真のみ重畳表示が可能です。

通常、点群は小さなドットで表示されているため、対象物を拡大表示するほど点群間の空白部分が広がり、形状や色彩の把握が難しくなります。これを補うため、点群を中心に自由な大きさで球体を生成、表示する機能を追加し、拡大時の視認性向上を図っています。

※オプションプログラム:ベクトル差分解析、出来形管理支援(港湾を除く)が必要
令和7年度の3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)に記載されている「デジタル技術(AR等)を用いた出来形立会確認」では、面管理を実施する工種での出来形立ち合い確認において、従来の紙資料を用いた方法から、ARを活用した方法が認められるようになりました。これにより、今後ARを用いた出来形管理の需要が高まることが予想され、TREND-POINTで作成したヒートマップを、ARデバイスにダイレクトに出力できる機能を追加しました。
注釈への情報付加
点群上に追記できる注釈に、写真や動画(360°パノラマ含む)、図面やPDFファイルを登録できる機能を追加しました。第三者への説明等において現場に関連する情報をより詳細に伝えることができ、スムーズな合意形成を支援します。
ブラシ選択
点群の不要な部分を削除する場合の選択方法として、ブラシでなぞって対象を選択できる機能を追加しました。
GeoTIFFファイル読込の高速化
従来に比べて7割以上の読込み時間短縮を実現しました。
日本測地系2024への対応
測地成果2024に伴い、座標系選択の詳細設定で測地原子「日本測地系2024」が選択できるようになりました。
J-LandXML1.7への対応
LandXML1.2 に準じた3次元設計データ交換標準(案)Ver.1.7に対応しました。
座標点のZ座標更新機能
Ctrl+クリックでZ座標だけ更新する機能を追加しました。
浚渫工(河川)出来形検査の強化
浚渫工(河川)における検査データの書込みに対応しました。
差分解析の強化
メッシュ、三角網、点群において、任意方向で評価できる機能を追加しました。構造物の角の評価に利用できます。
その他の強化項目
・データ一覧における「選択中のデータのみ表示」により確認したいデータに即座に切り替えが可能となります。
・広域なデータにおける表示の見切れを改善しました。
・トレース面を三角網に登録できるようになりました。
6. 補足
参考画像
下記URLより、新機能で再現した点群の拡大画像をご覧いただけます。
https://const.fukuicompu.co.jp/products/trendpoint/v12sample.html
ビューア版(点群サンプルデータ)の提供
下記URLより、3DGSをはじめとした新たな点群表現を体験できるビューア版をダウンロードいただけます。
※ビューア版:TREND-POINTをお持ちでない方でも、点群データの閲覧、計測などが行えるプログラムです。(点群の編集やデータ出力などは行えません。)
※提供するビューアは開発中のプログラムで作成しております。製品版と一部動作が異なる場合がございます。
https://const.fukuicompu.co.jp/download/tp_viewer/index.html