福井県坂井市で3月20日～22日、「さかい九頭竜音楽祭」が開かれる。

　同市初のクラシック音楽祭で、実行委員会「さかいのおんがくプロジェクト」が昨年末から準備を進めてきた。スタッフの岡田健志さんは「合唱主体だった『ミュージックフェスティバル in さかい』の発展形として企画した。ホールだけで完結せず、カフェなどでの小コンサートも組み合わせ『地域に広がる音楽祭』を意識した」と話す。

　メーンは、同21日から「ハートピア春江」（坂井市春江町西太郎丸）で開催のコンサート。関西のプロ管楽器奏者で構成する「ブラスクインテット大阪」、福井の吹奏楽団「ソノーレ・ウインドアンサンブル」などの演奏を予定する。ピアニストの川村文雄さん、クラリネット奏者豊永美恵さんなど同市出身アーティストのソロコンサート、同市在住の若手演奏家による「さかい未来の演奏家コンサート」も行うという。

　フジテレビ系アニメ「四月は君の嘘（うそ）」モデルアーティスト、篠原悠那さんのバイオリンリサイタルも予定。同市出身の篠原さんは「ハートピア春江の舞台は小学校時代以来十数年ぶりで、プロになってからは初めて」とした上で、「耳なじみのある名曲をそろえ、クラシックコンサートが初めての方も気軽に楽しめる演奏にしたい。アニメの仕事で得た経験も生かせれば」と抱負を語る。

　町なかでのイベントは17日から先行。同市内のカフェなどで「ランチタイムコンサート」「うたごえ喫茶」「小さなチェンバロコンサート」を開く。20日には、旧森田銀行本店（坂井市三国町南本町）で前夜祭も。声楽家による地元校歌の披露や、民謡「なんぼや」「三国節」の演奏などを予定するという。

　今年迎える同館オープン20年に合わせた同音楽祭。「短い準備期間にもかかわらず、出演者の協力で奇跡的に日程を組むことができた」と岡田さん。「地域の文化団体などと有機的につながりながら息の長いイベントに育てたい。音楽のある町として認知されることで、福井の人々に『坂井市っていいね』と思ってもらえるようになるのが目標」と意気込む。

　開演は、20日＝19時、21日＝10時30分、22日＝13時30分。料金は、無料～1,500円（プログラムにより異なる）。チケットは、ハートピア春江、みくに文化未来館（坂井市三国町神明）で取り扱う。