メモリアルイベント「書いて・描いて さよなら・またね! 市立図書館」が5月1日、福井市立図書館(文京2)で行われる。
「田原町ミニ図書館」を設ける田原町ミューズ。建物北側の広場には市が所有する移動図書館の常置も予定する
リニューアル工事による5月上旬からの一時休館を前に、新装オープンへの機運を高めようと同館が企画した。中学生以下を対象に、2階閲覧室のガラス窓をお別れメッセージやイラストなどの書き込みスペースとして開放する。
閲覧室は普段自習スペースとしても開放されているが、同館によると中学生以下の利用は多くないという。職員の笹野直輝さんは「図書館は普段は落書き厳禁。大きなガラス窓が特徴の閲覧室で、眺めを楽しみながら建物に直接文字を書いたり絵を描いたりできる体験はこの日ならでは」と話す。
同館は1976(昭和51)年8月に開館し、2020年度の入館者数は約13万人、蔵書数は約46万冊。リニューアルでは外壁タイルの一部を再利用し現在の面影を残す計画だが、解体に伴い見られなくなる所もあることから、イベントではタイルの実物と同館の写真を照らし合わせながら楽しめる「この場所知ってる? クイズ」も行う。
工期は今秋から2024年春までを予定する。イベントで寄せられたメッセージやイラストなどは解体時に撤去するため、同館ではイベント当日の写真データを残し、リニューアル開館後に掲示する計画という。
職員の河合啓子さんは「46年前、当時の市民の大きな期待を受けて丁寧に建てられた福井市立図書館。工事期間中、蔵書は箱詰め保管となり利用できなくなる。気になっていた本を借りに来たり、建物のすてきな所を見つけたり、思い出を振り返ったりと、リニューアル前の図書館の姿を確かめに来てもらえれば」と呼びかける。
5月9日からの休館期間、田原町駅東隣の多目的スペース「田原町ミューズ」(田原1)に「田原町ミニ図書館」を開設する。ミニ図書館には、新着図書や高校生向けお薦め本のコーナー、司書による読書相談コーナーなどを設け、ホームページなどで予約した本の貸し出し手続きも行う。
イベント開催時間は14時~16時。事前申し込みは不要。