福井県内の飲食店主らで作る「福丼県プロジェクト実行委員会」が9月29日、同プロジェクトの発足を発表した。
ソースカツ丼、海鮮丼、しょうゆカツ丼など「ご当地丼」のバラエティー豊かな福井県。他方で福井県は、自動車社会の自家用車1台当たりの平均走行距離が全国平均より約1000キロ多い「自動車王国」でもある。それらの背景から生まれた同プロジェクト。丼物と観光を組み合わせた「丼(どんぶり)ツーリズム」を地域おこしのコンセプトに据えた。
「丼物で福井の魅力を発信」という意欲が、全国の丼愛好家ら約1000人で作る一般社団法人「全国丼連盟」(東京都中央区)にも伝わった。福井県がコシヒカリ発祥の地でもあることから、同連盟は福井県を「丼の聖地」と認定した。
福井県庁での発足式には同委員会の中心メンバー8人のほか、西川一誠福井県知事、福井市出身でモデル・タレントの鹿沼憂妃さんらが参列。同プロジェクトを広報する「福丼カー」の紹介、福井県の「井」に点を書き入れるセレモニーなどが行われた。協賛企業の一つ、トヨタ自動車の豊田章男社長が「福井は係長時代に担当となったエリアで好きな県の一つ。丼物で福井がもっと元気になるよう、福丼県プロジェクトに『賛丼』します」と激励するビデオメッセージも披露された。
同プロジェクトは今後、ウェブサイトでの情報発信、公式ガイドブックの無料配布、来年3月開催の「ワール丼カップ」福井県誘致などの活動を予定する。同委員会委員長の野坂昌之さんは「県民の方にも公式ガイドを手にしてもらい、県内48店の丼物を食べ歩いて周辺地域の魅力を発見してほしい。来年3月には北陸新幹線金沢開業も控えている。金沢に来たお客さまをドーンと福井にも呼び込もう」と呼び掛けた。